大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
膝蓋大腿関節症（PF関節症）：お皿を圧迫すると痛みが出る、膝前面の痛み、膝前面の腫れや熱感、膝蓋骨周囲の違和感、膝のお皿の痛み、膝蓋骨の引っかかり感など
膝蓋大腿関節とは
一般的に膝の関節というと、太ももの骨である大腿骨（だいたいこつ）とすねの骨である脛骨（けいこつ）で構成される脛骨大腿関節の部分を指しますが、膝にはもう一つの関節である膝蓋大腿関節（しつがいだいたいかんせつ）があります。
その膝蓋大腿関節は、大腿骨と膝のお皿の骨と言われている膝蓋骨とで構成される関節です。
膝蓋大腿関節と脛骨大腿関節外側面
膝蓋大腿関節の特徴
膝は歩行などの運動から生じる摩擦を減らすために、大腿骨の一番下に当たる部分と脛骨の一番上にあたる部分、そして膝蓋骨が大腿骨に接触する部分の表面は関節軟骨で覆われています。
膝蓋骨は軟骨があるので大腿骨下部の前を上下に滑るように動くことが出来、それにより膝の屈伸がスムーズに行われることとなります。
大腿骨遠位端と膝蓋骨の関節軟骨
ピンクの部分=膝蓋骨の裏面で大腿骨と関節する部分
水色=大腿骨の一番下の面で脛骨と膝蓋骨と関節する部分
黄緑＝脛骨の一番上の部分で大腿骨と関節する部分
膝蓋大腿関節症とは
膝蓋大腿関節症とは、何らかの原因で膝蓋大腿関節に炎症が起きたり軟骨がすり減ったり、骨が変形したりすることで痛みを生じた状態のことをいいます。
膝蓋大腿関節症・関節軟骨摩耗と関節下骨露出のイメージ①
膝蓋大腿関節症・関節軟骨摩耗と関節下骨露出のイメージ②
膝蓋大腿関節症になると
膝蓋大腿関節症になると、膝の前面を中心に腫れたり熱感を感じたり、膝の屈伸運動時には痛みや違和感、こすれるような感じやひっかかり感などが出るようになります。
また、何かに膝を押し付けたり床に膝を着いた時など、膝蓋骨が圧迫されつつもそれをずらすような動きをすると強い痛みを感じます。
膝蓋大腿関節症の原因
膝蓋大腿関節症になる原因は主に2つに分けられます。
1つは加齢または膝への負担をかけ続けることにより、関節面の軟骨がすり減る変形関節症が原因になっているものです。
これらが原因となる場合は同時に変形性膝関節症になっていることがほとんどで、中高年の女性に多くみられます。
2つ目は、膝蓋骨の脱臼や亜脱臼によるものです。
膝蓋骨脱臼や亜脱臼を繰り返すことで摩擦や衝撃により軟骨がすり減ったり損傷したりするもので、悪化すると骨にまで影響が出ることがあります。
その膝蓋骨の脱臼や亜脱臼は、外傷や膝蓋面の溝が浅いことなど先天的な要素で起るのですが、特に若い女性は女性ホルモンの影響で関節が緩くなりやすいために発症をしやすいと言われています。
膝蓋大腿関節症を疑うとき
膝蓋大腿関節症を疑うときは、膝関節の動かすことによる痛みや膝蓋骨の動きによる痛みの確認を行います。
レントゲンでは膝蓋骨の位置、膝蓋大腿関節の形状や関節の隙間などの確認を行い、MRI検査を行えば軟骨の損傷の部位や程度を確認できることもあります。
膝蓋大腿関節症になったら
治療は保存療法が基本です。局所の安静により負担を減らすことで炎症を抑えて痛みを軽減させます。
膝蓋骨を圧迫するような肢位や作業を極力避けることも重要です。
痛みが落ち着いてきたら、膝周りの筋力トレーニングを行い膝蓋骨の動揺性を減らします。
また、脱臼しそうな感覚のある方には装具を用いて膝蓋骨の外側への脱臼を防いだりすることもあります。
そして、保存療法で効果がみられない場合は、手術療法を行うこともあります。
当院では
まず当院では膝蓋骨の動きや痛みの出るパターンを確認したり、膝蓋骨に圧を加えながら上下左右にスライドさせることで痛みの有無を確認するテストなどを行い膝蓋大腿関節の傷み具合の予測を立てます。
そして、膝蓋大腿関節にかかるストレスを出来る限り減らすための筋肉の調整や運動指導、生活指導を行っています。
膝蓋大腿関節を回復させるポイントとしては、大腿四頭筋とハムストリングスを柔軟に保つこと、膝蓋骨の動きをスムーズにすること、膝蓋骨による大腿骨へ圧迫を減らすことなどが重要となってきます。
膝関節前面の痛みや膝蓋骨周囲の違和感、引っかかり感が気になる方は、当院へご相談ください。
大阪市住吉区長居西3-1-33
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
内藤 英俊・河野 渉・村川 義康(1985)『膝蓋大腿関節症の発症要因―CT所見を中心として』整形外科と災害外科 33巻 4号，140-142
