腰部脊柱管狭窄症ー両足のしびれや痛み・歩くと両足が痛む

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腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう):両足がしびれる、歩くと両足が痛む、長時間歩けない、しゃがんだり腰を曲げて休むと楽になる、腰を伸ばすと辛いなど

 

脊柱管と脊髄(せきずい)について

 

脊柱管とは、首の骨である頚椎や胸や腰の骨である胸腰椎の椎体、上下の骨をつなぎクッションの役目をする椎間板(ついかんばん)、骨をつなぎとめるバンドの役目をする後縦靭帯(こうじゅうじんたい)、椎体後部の椎弓(ついきゅう)、黄色靱帯(おうしょくじんたい)などで囲まれた円柱形のスペースです。

腰椎椎骨の椎体部分と椎弓部分|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

腰椎を横から見たところ

脊柱管を構成する椎体、椎間板、椎間関節、椎弓、後縦靭帯黄色靭帯と脊髄|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

腰椎を上からみたところ:脊柱管を構成する椎体、椎間板、椎間関節、椎弓、後縦靭帯黄色靭帯と脊髄

その脊柱管は頭蓋骨の下から骨盤の上までつながっていて、中には脊髄が通っています。

脊髄は後頭部あたりにある延髄の下から始まり、1番目~2番目の腰椎の辺りまでは脊髄として存在し、そこから下は終枝といわれるひものような状態となるのですが、その様子が馬のしっぽのようなので馬尾神経と言われています。

脊髄と馬尾神経|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

脊髄と馬尾神経

 

脊柱管狭窄症とは

 

脊柱管狭窄症は、長年腰椎を使ってきた結果痛んでしまったり、治そうとして変化した椎間板や骨棘、黄色靭帯などにより脊柱管のスペースが狭くなり、中を通る脊髄神経が圧迫を受け血流が低下することにより起こります。

脊柱管狭窄症は、加齢による骨や靭帯などの変性で起こることが多いため、50代以降の高齢者によくみられます。

 

腰部脊柱管狭窄症になると

 

腰部脊柱管狭窄症は、歩いているとしびれやだるさが強くなり歩けなくなるのですが、少し前かがみになったり、腰を掛けたりすると症状が軽減し再び歩けるようになることが特徴的です。このような状態を間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。

また、脊柱管狭窄の状態が悪くなるにつれ、下肢の筋力低下や、排尿排便の障害が出ることもあります。

排尿排便障害や神経症状が強い場合は早急な手術が必要になってきますので、坐骨神経痛や気になる症状が出た時は、脊柱管狭窄症との区別をつけるために、どこが原因となり出ているのか、どのように対処すればよいのかを正確に見極める必要があります。

坐骨神経痛についてはこちら>>坐骨神経痛―おしりや太もも、ふくらはぎ、足趾の痛みやしびれ

 

脊柱管狭窄症を症状により分類すると

 

腰部脊柱管狭窄症では間欠性跛行が共通の症状ですが、脊髄神経が圧迫される場所により、馬尾型(ばびがた)・神経根型(しんけいこんがた)・混合型の三つに分けられます。

 

  • 馬尾型:馬尾神経(脊髄の中心部分)が圧迫されるタイプ

両下肢のしびれ感、冷感、疼痛、排尿障害(膀胱直腸障害)など様々な異常感覚を特徴とします。

腰部脊柱管狭窄症馬尾型|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

腰部脊柱管狭窄症・馬尾型

 

  • 神経根型:馬尾神経から分岐した後の神経根が圧迫されるタイプ

臀部(でんぶ)から足にかけての痛みが出ます。多くは片方の側に症状が出ます。

腰部脊柱管狭窄症神経根型|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

腰部脊柱管狭窄症・神経根型

 

  • 混合型:馬尾型、神経根型両方の症状が出るタイプ

腰部脊柱管狭窄症混合型|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

腰部脊柱管狭窄症・混合型

 

脊柱管狭窄症を疑う

 

腰部脊柱管狭窄症になると少し前かがみの姿勢になっていることが多く、足の筋肉が細くなっていることもあります。

まっすぐ立っていたり、腰を痛みのある斜め後ろの方へ反らしたりすると歩かなくても歩いた時と同じような足の痛みが出ることもあります。

また、特徴である間歇性跛行は、脊柱管狭窄の状態が悪いほど歩ける距離や時間が短くなってくるのですが、下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)でも同じ間欠性跛行がでます。

しかしASOの間欠性跛行は立ったままで休んでも症状が楽になるので、腰を曲げないと楽にならない脊柱管狭窄症とはその部分においておおよその判断が出来ます。

さらに、最近では脊柱管狭窄症とASOは関連することがあると分かって来たため、そのことを考慮しながらの対応が重要になります。

その他、腰骨を押してみて異常な痛みがある場合は、圧迫骨折などの他の問題も疑う必要性があります。

 

専門的にはさらに!

 

  • 腰椎の上の方で狭窄があると膝蓋腱反射が低下や消失する
  • 腰椎の下の方で狭窄があるとアキレス腱反射が低下や消失する
  • これらの腱反射が亢進する場合は、頚椎や胸椎での狭窄症などを疑う

 

  • 下肢伸展挙上テス(SLR)テストは神経根型であっても一般的な坐骨神経痛の様に陽性とならないことが多が、大腿神経伸展テスト(FNS)テストは上位腰椎の神経根型の場合は陽性となることがある

 

  • 股関節の障害の場合は腰部のヘルニアによる坐骨神経痛や、脊柱管狭窄症と間違われることも多いので、股関節の障害は合わせて確認する

 

  • 全体の3~4%に膀胱直腸障害をみるために臀部や会陰部の知覚の状態も伺っておく

 

  • 間欠性跛行がある場合は、両足の足背動脈の拍動も見ておく

 

また、腰部脊柱管狭窄症の神経性の症状と、閉塞性動脈硬化症に出る血管性の間欠性跛行については以下の様な違いがあります。

 

血管性 神経性
跛行距離 一定 変化する
症状の軽快・消失 立位の休憩でも可 座位や前屈位で可
軽快・消失までの時間 早い ゆっくり
坂道を上るとき 症状出現 前かがみになるので出現しにくい
坂道を下るとき 運動量が減るので症状が少ない 腰椎が反るので強い症状が出やすい
自転車 症状は出る 症状は出ない
痛みの感じ こわばる・痙攣状 末梢への放散痛やしびれ
足背などの脈拍 消失しやすい 消失しない
下腿や足部の皮膚 萎縮や毛がなくなることもある 麻痺が強くなければ正常
筋力低下・筋委縮 ない 時にある
腰背部痛 少ない 多い

参照:最新整形外科学大系

 

日常的な症状や徒手検査を行い、脊柱管狭窄症を疑うときはMRIや脊髄造影、レントゲンなどの画像診断を行いますが、腰部脊柱管狭窄症の場合、腰椎前弯は減少し、骨盤は後傾し、じっとして立とうとすると体幹は前傾となってしまうことが多く、さらに馬尾型の腰部脊柱管狭窄症では、神経根型と比べると体幹の前傾と骨盤の後傾が顕著となりやすいことが分かっています。

 

腰部脊柱管狭窄症になったら

 

腰部脊柱管狭窄症では、下肢のしびれがあっても日常生活での動作に支障がない場合は、血流を良くするための薬物療法や、ブロック注射、運動療法などの保存療法で症状の改善を行っていきます。

 

当院では

 

当院では、手技や鍼を用いて腰回りの筋肉の緊張を緩和し、腰椎への負担緩和と血流の改善を行います。

それらを患者さまの状態に合わせた手技を適切な方法で行います。

歩行時の足の痛みやしびれでお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください!

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大阪市住吉区長居西3-1-33

藤田鍼灸整骨院

06-6698-4568

 

参考文献

 

大島 正史・徳橋 泰明(2012)『腰部脊柱管狭窄症の診断と治療―ガイドラインを中心に―』日大医学雑誌 71 巻 2号,116-122

 

 

稲毛 一秀・大鳥 精司・折田 純久・高橋 和久(2016)『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011』日本内科学会雑誌 105巻 10号,2007-2011

 

 

鈴木 秀和・遠藤 健司・小林 浩人・田中 英俊・田中 惠・山本 謙吾(2008)

『腰部脊柱管狭窄症の病型と脊柱矢状面アライメントの関連』日本腰痛会誌,14, 23-27

 

鷲見 正敏(2007)『腰部脊柱管狭窄症』最新整形外科学大系.中山書店

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