大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院>>http://shinkyuuseikotsu.com
上腕骨近位骨端線離解:リトルリーガーズショルダー、外傷による肩の痛みと腫れ、上腕上部の痛み
骨端線とは
成長期の骨の両端には骨端線(骨端軟骨)という成長軟骨板があり、この部分で骨は成長していきます。
その骨端線部分は骨の間に存在するのですが、急激に骨が伸びる時期になると骨端線部分での結合力が弱くなっています。
上腕骨近位骨端線離解とは
上腕骨近位骨端線離解とは、手を後ろに着いた時などの外力により上腕骨に捻るような力が加わることで、骨端線部分を中心として幅が広がったりずれたりする状態です。
骨端線離開はその離開の状態を表すのにSalter-Harris分類がよく使われます。
Salter-Harris分類
Type1:骨端線の部分での離開
Type2:骨折線は骨端線を通過し、骨幹端に三角形の骨片が見られる最も多いタイプ
Type3:骨折線が骨端から骨端線を通り再び骨端に繋がる骨折
Type4:骨折線が骨端から骨端線を通過し、骨幹へと走るタイプ
Type5:骨端線を上下から圧縮するような力が加わり骨端線が潰れてしまう骨折
上腕骨近位骨端線離開が発生するとき
上腕骨近位骨端線離解は外傷性の場合、身体の後ろ側へ前を向いたままで倒れる時に、上腕を体幹に近づけながら腰や背中の方向に腕がある状態で手を着くような形になった時に発生することが多いです。
損傷した骨端はそこに付いている筋肉の影響を受け後内方へ引っ張られて転移します。
上腕骨近位骨端線離解の分類
Neer-Horwitz分類
1度:5mm未満の転移
2度:骨幹の幅の1/3まで
3度:骨幹の幅の2/3まで
4度:2/3を超すものや完全転移
上腕骨近位骨端線離解になると
上腕骨近位骨端線離開になると外傷による骨端線理解の場合は、上腕の近位部が腫れ、その辺りの痛みは強くはっきりしていて腕を動かさず反対の手で肘を支えるようなポジションを取ることが多くなります。
また、繰り返す投球動作により発生するリトルリーガーズショルダーは、投球時や投球後の痛み、肩を捻ると痛みが出るという状態が主訴となります。
痛みを感じる場所や投球動作のどの部分で痛みを訴えるのかはまちまちです。
上腕の一番上の頭の部分にある大結節という出っ張りの少し下辺りを押すと痛みが出たり、患者さんに腕を捻ってもらい、その腕に術者が手で抵抗を加えたりすると痛みが出ます。
上腕骨近位骨端線離解を回復させるには
外傷性の上腕骨骨端線離開は基本的に保存療法となります。
Neer-Horwitz分類のⅠ度あるいはⅡ度では三角巾などによる安静固定を
2~3週間行います。
Ⅲ度で20°以上の屈曲変形がある時には徒手整復を行い、Ⅳ度では最大挙上位での整復後に1~2週間のゼロポジション牽引を行います。
疲労骨折や骨端線損傷、腱板など軟部組織の損傷や炎症など肩には様々な種類の障害が存在します。
それらは障害の種類や程度により回復方法や回復の限界はそれぞれ違ってきます。
肩関節の問題でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください!
大阪市住吉区長居4-5-18
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
森原 徹・堀井 基行『小児の上腕骨近位骨端線離開』(2007)最新整形外科学大系.中山書店