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肘頭骨折:肘を打った、肘関節を伸ばせない、肘の痛みや腫れなど
肘頭とは
肘頭は2本ある前腕骨のうち小指側にある尺骨の肘の部分の頂点にあたり、一般的には「肘鉄」と呼ばれたりもします。
また、尺骨と上腕骨は肘の部分で蝶番のような滑車の形状にて関節を成し、肘頭の裏側は滑らかにカーブした滑車切痕という関節面となっています。
そして肘頭には上腕三頭筋と肘筋が付着し、上腕三頭筋と肘筋は肘関節を伸ばす働きをしています。
肘頭骨折は
肘頭部を強く打ちつけるなど直接外力が加わって起こるか、上腕三頭筋の強力な牽引力による介達外力によって起こります。
介達外力で起こる場合、肘を進展させる動作を繰り返し行うことにより、過度な負担がかかり続けたために起こる疲労骨折、肘を思いっきり伸展するなど急激な負荷がかかり骨折するなどがあります。
直達外力の場合も介達外力の場合も上腕三頭筋の影響を受けるか否かで骨折部の安定性が大きく変わります。
肘頭骨折は骨折の転移のしやすさなどの安定性、粉砕の度合いなどにより保存療法や手術の術式が変わるためにいくつかの分類があります。
その中のColton分類は、骨折型を肘頭の裂離骨折、斜骨折、脱臼骨折などに分けて整理された分類です。
Colton分類
group1
group2‐stageA
過伸展損傷による斜骨折
上腕骨滑車による滑車切根部の損傷
group2‐stageB
転移のない骨折
group2‐stageC
滑車切痕部の陥没骨折
group2‐stageD
滑車切痕部の粉砕骨折
group3
鉤状突起部あるいは近位部での骨折に脱臼を伴う
group4
尺骨骨幹部骨折に及ぶ高度の粉砕骨折などの分類不能なもの
肘頭骨折を起こすと
肘頭周囲に痛みや腫れが生じます。
また、肘頭に付着している上腕三頭筋に骨折部が牽引されて、引き裂かれることで、転位(骨が本来の位置からずれること)が発生します。
そうなると、肘を自分の意志では動かすことが出来なくなり、肘の周囲が激しくはれ、押すと非常に強い痛みを感じるようになります。
肘頭骨折を回復させるには
まずは、レントゲン撮影、より正確に状態を把握できるCTやMRIなどの画像検査にて、骨折部の転位の有無や状態を確認します。
転位が少ない場合は、保存療法としてギプス固定を約1ヶ月行います。
転位が大きい場合には、針金やスクリュー、金属プレートなどで骨折部を固定する手術療法が行なわれます。
肘頭骨折は、疲労骨折の場合、痛みは我慢できないほどでないこともあり、無理にスポーツを続けることによって、症状が悪化したり骨折部がずれてついてしまったりすることもあります。
何かしらの異変を感じた時には、早期に画像診断を受けたり、患部を安静に保ったりすることが重要です。
肘の周囲や動きに違和感や痛みがある方や肘頭骨折手術後のリハビリは、ぜひ一度当院へご相談ください。>>http://shinkyuuseikotsu.com
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藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
池田 全良・岡 義範(2007)『肘頭骨折』最新整形外科学大系.中山書店.