母指CM関節症-親指の痛み・手首の痛みと腫れ

大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院

母指CM関節症:親指の痛み、手首の痛み、手の腫れ、手首の腫れ、親指の腫れ、つまみ動作で親指が痛む、ビンの蓋を空けるときに親指が痛むなど

 

CM(シーエム)関節とは

 

CM関節は、手首に並ぶ手根骨という8個の骨と、手の甲の骨である中手骨の間の関節です。

CM関節は、指の関節のように曲げ伸ばしできるような節はなく、外見上はほぼ平面です。

そして、母指以外のCM関節はほとんど動かないのですが、母指のCM関節は動きのある関節なので、母指を小指側へ付けるように曲げると、手首の少し先から曲がっていくことが分かります。

 

手指の骨、末節骨、中節骨、基節骨、中手骨、手根骨|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

手指を構成する骨

手指の関節、DIP,PIP,MP,CM|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

手指の関節

 

母指CM関節症とは

 

母指CM関節症とは、CM関節が長年の使用や関節に強い力が加わることの積み重ねで、だんだんと関節軟骨が擦れたり関節が変形したりして痛みを感じるようになった状態となります。

 

特長

 

40歳以上の閉経後の女性に発症することが多く、男女比は2:3で手をよく使う職業の方によく見受けられます。

手関節の親指側付近の痛みであるために、よくドケルバン病やばね指と間違われています。

 

母指CM関節が痛みやすい理由は

 

母指CM関節は、第一中手骨と大菱形骨の間の関節であり、第一中手骨と大菱形骨が繋ぎめるバンドの役目をする5つの強靭な靭帯と、関節を包みこむ関節胞によりしっかりと繋がれて出来ています。

CM関節は親指を小指へ付ける方向に曲げたり伸ばしたり、人差し指方向に付けたり離したりする動きを軸としながら、あらゆる方向へ動かすことができます。

そして親指は手指の中で最もよく使う指であるために、広い範囲を動かす動作や物を握りしめる動作、親指の先で物をつまんだりする動作などの負担を常に強いることになります。

その負担が反復されたり加齢により靭帯や関節包に緩んだりしてくると、関節かかる負担が大きくなったり積み重なるダメージにより関節軟骨の摩耗や変性が起こると考えられています。

その他にも脱臼や骨折などの外傷により関節に不具合が生じたことが原因となり、のちのち変形性関節症に移行してしまうこともあります。

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節|藤田鍼灸整骨院

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節の位置|藤田鍼灸整骨院

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節の位置

 

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節の位置|藤田鍼灸整骨院

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節の位置

 

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節の位置|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

中手骨と大菱形骨で構成されるCM関節の位置

 

CM関節症になると

 

CM関節症が発症すると親指の付け根周囲に痛みや腫れが出ます。

さらに悪化すると関節のぐらつきが強くなることもあり、握る力や物をつまむ力が弱くなります。

それが続くとCM関節を動かすだけでも音が鳴ったり関節が変形したりします。

(変形の好発部位は、第一中手骨関節面では掌側端、大菱形骨関節面では橈側に起こります。これは第一中手骨基部の橈背側に負荷がかかりやすいことを示し、支持機構の緩みが起こると、第一中手骨は橈背側へ亜脱臼してしまいます。また、女性は男性と比べて、中手骨関節面の掌背方向の凹面が浅く、大菱形骨関節面の掌背方向の凸面が低いため、女性に多くみられる原因の一つとなっています)

 

CM関節症を疑うとき

 

CM関節症を疑うときは、中手骨という親指の付け根の関節の少し手首寄りにある骨を持って、その骨を手首側に垂直に押しながらぐりぐりと中手骨と大菱形骨をこすり合わせます。

これを行うことでほとんどの場合痛みを再現することができます。

CM関節軸圧痛の確認方法|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

CM関節へ軸圧をかけることで痛みを確認する

 

レントゲン検査では、母指CM関節の隙間が狭くなっていたり、骨のとげが出来ていたり、ときには亜脱臼が認められます。

また、重症度分類としてEatonらのX線分類があります。

 

  • StageⅠ:滑膜炎期、関節裂隙は軽度の拡大があるが、関節の形状は正常で、亜脱臼は関節面の1/3未満である。

 

  • StageⅡ:関節包の弛緩があり、1/3以上の亜脱臼が存在する。関節の不安定性はストレス撮影で明らかである。直径2 mm未満の小さな骨片あるいは石灰化片が、通常大菱形骨の掌側あるいは背側に接している。

 

  • StageⅢ:1/3以上の亜脱臼があり、2mm以上の小骨片が背側あるいは掌側(通常は両側)にあって、関節裂隙の狭小化が多少存在する。

 

  • StageⅣ:進行した変性変化がある。亜脱臼は明らかで関節裂隙はとても狭く、軟骨下骨の硬化あるいは膿胞状陰影を伴う。大菱形骨の辺縁には骨棘形成がみられ、大菱形骨の橈背側関節面に明らかなびらんが生じる。

 

母指CM関節症になったら

 

早い段階であれば、患部を固定し関節への負担を減らすことにより1~2ヶ月ぐらいで痛みが軽快する場合が多いです。

当院では独自のテーピングや熱で変化するプラスチック製の固定具を作り対応しています。

痛みに対してはハイボルテージ療法や鍼灸、愛護的なマッサージ、温熱療法がおすすめです。

(このうちマッサージを行う場合は強さの加減が非常に重要です)

ただし、負担をかけ続けることによる関節症が進行して、強い痛みが続いたり、日常生活に支障をきたしたりする期間が長く続く場合は手術が必要になることもあります。

 

母指CM関節の痛みでお悩みの方は、関節症が進行してしまう前に当院にご相談ください!

 

大阪市住吉区長居西3-1-33

藤田鍼灸整骨院

06-6698-4568

 

参考文献

 

山上 繁雄(1987)『母指CM関節症―臨床例, 屍体標本および三次元光弾性実験からみた発症機序の検討―』昭和医学会雑誌 47巻 第4号,473-480

 

古川 英樹・北條 暉幸・中島 民治・鈴木 勝巳(1989)『母指CM関節変形性関節症に関する解剖学的検討』整形外科と災害外科 37巻 第4号,1504-1507

 

『第1CM関節変形性関節症』プラクティカルマニュアル 手疾患保存療法 41-43

アクセス

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