大腿骨頚部骨折(大腿骨近位部骨折)-股関節・足の付け根・太ももの痛み

大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院

大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折:転倒による骨折、高齢者の骨折、太ももの骨折、骨粗鬆症が関係する骨折、股関節の骨折、足の付け根の骨折、股関節の痛み、転倒後立てない、転倒後歩けないなど

 

大腿骨近位部(だいたいこつきんいぶ)とは

 

大腿骨とうい太ももの骨の上方の骨折である大腿骨近位部骨折が発生する箇所は、骨頭(こっとう)、骨頭下を含む頚部、頚基部、転子部および転子間、転子下があるのですが、その中の大腿骨頚部から(頚基部を含む)転子部までを一般的には大腿骨頚部と呼ぶことが多いです。(日本や欧米で呼び方が変わるため)

大腿骨近位の骨折

 

大腿骨頚部とその骨折の特徴

 

太ももの骨である大腿骨は、人の体の中で一番大きくて長い骨です。

大腿骨の一番上の部分には大腿骨頭があり、大腿骨頭は骨盤の外側に位置する寛骨臼(かんこつきゅう)と関節し、股関節を構成しています。

その大腿骨頭のやや下方にあるくびれた部分である大腿骨頚部は、転倒や転落をした時に外力が集中して骨折をしやすい構造となっています。

寛骨臼と股関節を作る大腿骨頭の下部が大腿骨頚部となる|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

寛骨臼と股関節を作る大腿骨頭の下部が大腿骨頚部となる

 

大腿骨頚部骨折は骨粗鬆症が関係する場合が多い骨折です。

よって高齢者の女性に発生することが多く、高齢になるほど頚部よりも転子部の骨折が多くなるのが特徴です。

一方、青壮年者に起こった場合の頚部や転子部の骨折は、交通事故や転落などの高エネルギーによるものが多く、その場合は転子下や骨頭の骨折、または股関節脱臼となることが多いようです。

 

大腿骨頚部骨折の分類

 

大腿骨頚部骨折のうち、股関節を包む袋である関節包の中で起きたものを大腿骨頚部骨折、関節包の外で起きたものは大腿骨転子部骨折というように分類されています。(日本では大腿骨頚部骨折のことを大腿骨頚部内側骨折または関節包内骨折、転子部骨折のことを大腿骨頚部外側骨折または関節包外骨折と呼ぶこともあります)

大腿骨頚部骨折に関係する股関節の靭帯と関節包|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

股関節前面の靭帯と関節包

大腿骨頚部骨折に関係する股関節の靭帯と関節包|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

股関節後面の靭帯と関節包

 

  • 大腿骨頚部骨折(大腿骨頚部内側骨折、関節包内骨折)

 

大腿骨頚部骨折の分類には骨折部の転位の大きさと方向で分けるGarden分類があり、この分類はStageⅠとStageⅡでは骨折が治りやすいケースが多いので、今後どのように治療を進めていくのか、治療終了後はどのような状態になりそうなのかの判断の目安となります。

 

◆Garden分類

 

骨のずれのない骨折であるStageⅠ、StageⅡ(非転位型骨折:骨癒合良好で予後がいい)

StageⅠ:不完全骨折(外側陥入不完全骨折で安定度が高い)

StageⅡ:完全骨折、転位なし(完全骨折で陥入または転位のないもの)

 

骨のずれのある骨折であるStageⅢ、StageⅣ(転位型骨折:骨癒合や予後が悪い)

StageⅢ:完全骨折、骨頭回旋転位(完全骨折で骨頭回旋転位があるもの)

StageⅣ:完全骨折、骨頭回旋なし(完全骨折で連続性が完全に断たれた完全骨折)

 

大腿骨頚部骨折は、骨粗鬆症がある場合など骨が脆くなっていると、少し脚を捻ったぐらいでも発生することがあります。

一般的には、受傷後すぐに股関節の痛みとともに起立不能になることが多いです。

痛みは安静時には軽微なこともありますが、股関節を動かすことにより痛みは増します。

 

また、数日の間は足の付け根に痛みがあるものの歩けていた方が、ある日突然立てなくなるというような形で骨折が判明する合もあります。

 

治療法については、保存療法(手術をしないで治していく)や骨接合術などの手術もありますが、大腿骨頚部の骨折の場合、骨癒合が得られにくいことが頻繁にあります。

それは頚部骨折となったとき、骨頭部を栄養するための回旋動脈も損傷することが多いからです。

回旋動脈が損傷し血流が絶たれると大腿骨頭部が壊死してしまいます。

そのために大腿骨頚部骨折の場合は、人工関節となる人工骨頭置換術が選択される場合が多いです。

大腿骨頚部骨折、骨頭部を栄養する血管-回旋動脈|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

大腿骨頚部骨折、骨頭部を栄養する血管
参照:整形外科学大系

大腿骨頚部骨折、骨頭部を栄養する血管-回旋動脈|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

大腿骨頚部骨折、骨頭部を栄養する血管

 

  • 大腿骨転子部骨折(大腿骨外側骨折、関節包外骨折)

 

大腿骨転子部骨折の多くは、転倒や転落などの外力により発生します。

頚部骨折と比べて、痛みが強く内出血量が多いです。

転子部骨折は、関節包や滑膜からの血流が得られやすいため、手術療法でも保存療法でも比較的結果は良好です。

しかし治療については保存療法の場合、荷重に耐えうる骨癒合を得るまでには長期の固定が必要となるため手術療法を選択されることが多いです。

 

大腿骨頚部骨折のリハビリと予防について

 

大腿骨頚部での骨折は、筋力の低下を防ぐためにも、リハビリが大切になってきます。

受傷部位の骨癒合や状態を見極め、なるべく早期に荷重をかけられるように進めていかなくてはなりません。

そしてこの骨折の多くは転倒により発生するので、再発を防止すためにもしっかりとした足腰になるまでリハビリを続ける努力が大切です。

それを怠るとせっかく苦労して骨癒合を得られたにも関わらず足腰が弱いために再び転倒し、同じ部位や他の部位を骨折することになりかねないからです。

 

骨折をした方もまだ骨折をしていない方も、動けるうちに歩くことや筋力を維持することを心掛けてほしいと思います。

そうするためには日頃より正しい健康知識を身に付けることが必要です。これは体のどの個所を痛めた場合でも共通して言えることです。

それは、正しい健康知識がないと、楽そうに見える効果のない間違った健康法に手を出してしまい無意味な時間を使ってしまうからです。

また、施術や体の手入れを行うことで「痛い」ということや「しんどい」という状態を減らすことはとても大切です。

「痛いやしんどい」という状態にあると「運動をしよう!」というような気持ちが出づらく継続が難しいからです。

リハビリを継続するコツは、その重要性をしっかりと理解し、それによりどのような未来に変わるのかを想像し、体を元気にして気力を上げることだと思います。

 

大腿骨頚部骨折後のリハビリと骨折の防は、ぜひ当院にお任せください!

 

大阪市住吉区長居西3-1-33

藤田鍼灸整骨院

06-6698-4568

 

参考文献

 

玉井 健介・伊藤 博元(2007)「最新整形外科学大系 」(16巻骨盤・股関節)中山書店.

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