鵞足炎(がそくえん)・鵞足滑液包炎(がそくかつえきほうえん)ー膝内側の痛み・運動による膝の痛み

大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院

鵞足炎:運動時の膝の痛み、スポーツによる膝の痛み、膝の内側の痛み、走ると膝が痛いなど

 

鵞足とは

 

鵞足とは、太もももの筋肉である縫工筋(ほうこうきん)・薄筋(はくきん)・半腱様筋(はんけんようきん)という3つの筋肉が合わさって出来た腱が、膝の内側のやや下(脛骨内側)に付いている部分のことを指します。

鵞足炎ー鵞足を構成する縫工筋と半腱様筋、薄筋|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

鵞足を構成する縫工筋と半腱様筋、薄筋①

鵞足炎鵞足を構成する縫工筋と半腱様筋、薄筋|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

鵞足を構成する縫工筋と半腱様筋、薄筋②

その腱が付いている部分の形が鵞鳥(ガチョウ)の足に似ていることから鵞足と呼ばれているようです。

鵞足炎ー鵞足を構成する縫工筋と半腱様筋、薄筋|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

鵞足は鵞鳥の足に似ているから?

 

また、3つの筋肉が合わさって出来た腱が骨や靭帯とこすれ合う部分には、滑液包とよばれる内部が液状のクッションが存在します。

その滑液包は、運動時することによる腱と骨との摩擦や、腱に衝撃や圧迫が加わる場合のクッションとしての役割をしています。

鵞足滑液包炎ー鵞足と内側側副靱帯の間にある鵞足滑液包|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

鵞足と内側側副靱帯の間にある鵞足滑液包

 

鵞足炎、鵞足滑液包炎とは

 

鵞足炎と鵞足滑液包炎は、腱が骨に付いている鵞足部分やクッションである滑液包が、腱への過剰な負荷や運動による摩擦、または直接的な外力が加わることなどで炎症を起こしてしまう状態のことをいいます。

鵞足炎|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

鵞足炎

鵞足滑液包炎|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

鵞足滑液包炎

 

鵞足炎・鵞足滑液包炎の特徴

 

鵞足炎、鵞足滑液包炎は、陸上の長距離競技、水泳、サッカーなど、膝の屈伸動作を繰り返すスポーツをされている方に多くみられます。

 

鵞足炎・鵞足滑液包炎の原因や誘因としては

 

運動前のウォーミングアップや運動後のクールダウンの不足、鵞足を構成する筋肉の柔軟性の低下、スポーツや運動をやり過ぎた場合、運動時の環境(硬い地面や坂道など)、X脚、歩行や走る時の着地時に足が外側を向く回内足、足に合っていない靴を履き続けるなどがあげられます。

そうして鵞足部分に過度の負荷がかかったり、運動により炎症を起こしたり疲労した個所が回復できなかったり、鵞足と内側側副靱帯とがこすれあったりすることにより鵞足炎は起こります。

 

鵞足炎になると

 

鵞足炎になると、膝の曲げ伸ばしをした時や運動をしている時、患部を指で押した時、太ももの裏の内側寄りの筋肉を伸ばすストレッチングをした時などに痛みを感じます。

主に痛みを感じるのは、膝の内側の鵞足部から太ももの後ろの大腿屈筋群にかけてです。

鵞足炎の初期は、膝を動かした時や階段の昇り降りの時に痛みや違和感がある程度ですが、ひどくなると安静時にも痛みを感じるようになり、日常生活にも支障をきたすこともあります。

 

鵞足炎を疑う時

 

痛みの出るタイミングなどの特徴を伺うことや、足の位置や動かし方、どの部分を押せば痛むのか、腫れの状態などを左右の足で比べながら丁寧に徒手検査も併せて観察します。

この場合、片足のみで観察すると、わずかな腫れを見逃したり、押された時の痛みが押されているから痛いのか鵞足炎があるから押されて痛いのかが分かりづらいです。

よって鵞足炎は両足を比較しながら観察してもらうことが重要です。

また、症状が強い場合には、レントゲンやMRI、エコーなどにより、骨折や半月板損傷、靭帯損傷など、鵞足炎以外の問題がないかの確認します。

(鵞足に痛みがあるケースでレントゲン以外の徒手検査を行わず、レントゲンだけを見て骨に異常がないことだけを確認し、鵞足炎という診断をされずに「様子を見てください」と言われるケースがあるようですが、鵞足炎はレントゲンには写らないですから、徒手検査は必須です)

 

鵞足炎になったら

 

痛みが強い時は出来る限り安静にして、アイシングや消炎鎮痛などで炎症を抑えます。

必要な場合は、テーピングでの補助も行います。

また、X脚や回内足が原因の場合は、シューズの調整や足底板(インソール)を上手く併用することで痛みをより緩解させることも可能です。

 

当院では

 

しっかりとアイシングを行い、低周波や干渉波、高周波などの器具を用いて

先ずは炎症を抑えることを第一の目的とします。

そして筋肉の柔軟性や関節の角度、歩行やランニングフォーム、シューズなどに異常がないかをチェックし修正を行います。

鵞足炎のほとんどは使いすぎ(オーバーユース)により発症するので、安静を中心として正しく対処出来れば、その大半は回復していきます。

しかし、鵞足炎になってしまうほどスポーツをしているということは、運動量を減らすことが難しい状態である可能性が高いと思います。

よって、スポーツでの運動量を極力減らさないためには、日常生活の些細な動きまでもチェックを行い、出来る部分の修正、改善を行うこと。

異常な筋緊張による患部への負荷を手技やストレッチなどにより取り除くこと。

筋肉の疲労や体全体の疲労から出来るだけ回復できる環境を作り、回復力の障害を起こさない仕組みを作ることなど、治りの悪いケースほど、きめ細やかな回復プランが必要になります。

また鵞足炎は再発しやすい疾患でもあるので、原因を見極めることで根本的な改善を見据えながら焦らずじっくり必要な治療や生活環境の改善を行うことが大切になります。

 

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