大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
膝蓋骨骨折:膝前面の痛みや腫れ、膝の打撲、膝を打ってから膝を伸ばせない、膝が痛くて歩けないなど
膝蓋骨とは
膝蓋骨は、膝関節の前面にある「膝のお皿」といわれる骨の事です。膝蓋骨は人体で最も大きい種子骨です。
膝蓋骨の役割は膝関節を保護したり、太ももの骨である大腿骨の下部分にある大腿骨膝蓋滑車溝という骨がくぼんだ溝を上下します。膝蓋骨はその部分で上下しながら太もも前面の筋肉である大腿四頭筋が膝関節を伸ばす時の支点となり膝の屈伸運動を安定させます。膝蓋骨は筋肉だけでは曲げ伸ばしし辛い、または腱の部分を痛めてしまわないように膝関節の曲げ伸ばしを助けているのです。
膝蓋骨骨折とは
膝蓋骨骨折は直接打ち付けることで発生する場合と、間接的な力が膝蓋骨に加わることで骨折する場合があります。
直接打ち付ける直達外力の場合としては、交通事故や転倒などにより完全もしくは部分的に骨折することがあります。
間接的な力が加わる介達外力の場合は、膝を曲げていく途中で大腿四頭筋が急激に収縮する力が膝蓋骨に加わることで膝蓋骨が引っ張られ横骨折が発生し骨折線は離開します。
膝蓋骨骨折の分類
膝蓋骨骨折は転移のない横骨折、転移のある横骨折、上端または下端骨折、転移のない粉砕骨折、転移のある粉砕骨折、縦骨折があり横骨折が最も多くみられます。
膝蓋骨骨折の特徴
膝蓋骨横骨折の特徴としては、太もも前面の筋肉である大腿四頭筋と膝蓋腱により骨折部が牽引され、骨折部に引き離されるような力が加わることです。
骨折部が引き離されると膝が激しく腫れ、膝蓋骨を押さえると強い痛みを感じ、膝の曲げ伸ばしがし辛くなります。
また、時間経過とともに皮下出血がみられたり、時には骨折部に窪みが確認できたりする場合もあります。
膝蓋骨骨折を疑う時
膝蓋骨骨折を疑う時は、膝蓋骨の骨折してそうな部分以外を押してみて疑われる骨折部に伝わる痛みが出るかどうかや、膝蓋骨を側方より挟み込むような力を加えたりすることで骨折部に伝わる痛みが出るかなどを調べます。
また、腫れや皮下出血、歩行時の痛みや膝を曲げ伸ばしすることでの痛み方も参考にします。
その後、レントゲンにて膝蓋骨の状態を確認します。
レントゲンを撮るのに触ったり響かせたり、腫れを見たり曲げ伸ばしして痛みを確認するのはレントゲンでは見えづらい場合が骨折にはあるからです。
レントゲン撮影時は、縦骨折の場合、正面や横からだけでは確認できないこともあるので、膝蓋骨の上下より撮影する縦方向での確認も行います。
さらに、骨折箇所が複数に及んでいたり、周囲の軟部組織の損傷が疑われたりする場合はCTやMRIで詳しく確認することも必要です。
膝蓋骨骨折になったら
膝蓋骨骨折の治療は、骨折部の状態により手術をしない保存療法と手術療法のどちらかが選択されます。
骨折部に転移(ズレ)のないものや転位が軽度で膝の曲げ伸ばしが出来る場合には、保存療法として約1ヶ月のギプス固定を行います。
しかし、骨折の転位が大きいものや粉砕骨折などは手術療法が行なわれます。
骨折部に骨癒合(骨がくっついてきた状態)がみられ安定してくれば、膝の曲げ伸ばしのリハビリテーションを開始します。
また、固定期間に落ちてしまう筋力の回復のためのトレーニングも必要となります。
当院では
膝蓋骨折は骨のずれ方や骨折部位によっては痛みが残る場合もあります。
よって骨折が疑われる場合は医療機関にて画像診断を行って頂きます。
膝蓋骨骨折のリハビリにおいては、常に膝蓋骨と大腿骨の関節面に負荷がかからないように考え、丁寧に施術を行います。
さらに、日常生活で気を付けるべき姿勢や作業をしっかりと伝えたり、大腿四頭筋による不必要なけん引力がかかったりしないように大腿四頭筋も緩めておきます。
膝を強く打って痛みがひどい場合や、いつまでも痛みが続く、歩きづらい状態が続くなどの症状がある場合、膝蓋骨折手術後のリハビリは、ぜひ当院へご相談ください。
大阪市住吉区長居西3-1-33
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
戸松 泰介『膝蓋骨骨折』最新整形外科学大系(2007)中山書店