大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
運動による膝の痛み、スポーツによる膝の痛み、膝がガクッとなる、膝が伸びない、膝が曲げられない、膝の曲げ伸ばしでひっかかりがある、正座が出来ない、歩くと膝が痛いなど
膝関節は
膝関節は太ももの骨である大腿骨とすねの骨である脛骨、そしてお皿と呼ばれる膝蓋骨の3つの骨で構成される体の中で最も大きな関節です。
膝関節は体重のかかる荷重関節ですが、非常に不安定で適合性の悪い関節だと言われています。
しかし、膝関節には前後左右のズレを防ぐためのバンドである4本の靭帯と半月板があり、それらは膝関節を安定させるために重要な役割を果たしています。
(4つの靭帯=前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯)
半月板とは
半月板は太ももの骨である大腿骨の1番下と、すねの骨である脛骨の1番上の間にある円盤状の線維性軟骨のクッションで、内側と外側にそれぞれ1枚ずつあります。
そして半月板は、膝の上下の骨の隙間を埋めることで膝関節の適合を良くし、安定させるとともに、ジャンプなどの衝撃を分散させるクッションのような役割をしたり、膝関節の運動を滑らかにしたりすることで関節を守っています。
また、半月板の外側の25%程度には血行がありますが、そこから中心に向かう部分には血行がなく、外側は厚みがあり中心に向かうほど薄くなっていくような特徴もあります。
半月板損傷とは
半月板損傷は、スポーツなどによるケガや外力により生じる場合(外傷性)と、加齢により傷つきやすくなってきた半月板に微妙な外力が加わることで損傷する場合(変性断裂)があります。
外傷性の場合、膝を捻ったり、膝が本来動かない方向に強い力が加わったりするなど、大きな負担が膝にかかる時に発生します。
例えばジャンプからの着地時や、ストップ、ターンなどでバランスを崩した時、人や物と接触をして膝を捻った時、交通事故などにより受傷されるケースが多いと思います。
発生頻度の高いスポーツとしては、バスケットボール、バレーボール、体操、サッカー、テニス、野球、スキー、アメリカンフットボール、ラグビー、柔道などがあげられます。
外傷性のタイプ
一方、変性断裂のケースは、どなたであっても半月板は加齢に伴い変性していくために、40歳を超えてくると半月板の弾力性が減少します。
さらに小さな損傷なども積み重なることで半月板の強度は減少していきます。
そこに外力が加わってしまうと少しの外力でも損傷してしまうというような状態となります。
よって変性断裂の場合は、日頃の過ごし方が重要であり、適度な運動や体重の管理が出来ているか、疲労などはしっかりと取り除けているかなどが重要になります。
例えば、激しい運動を続けるのであれば、それに耐えうる筋力があるのか、適切な体重であるのか、膝にかかる負担を最小限に留める運動方法や関節の疲労を取り除く正しいケアが出来ているのかというようなことです。
変性断裂のイメージ
半月板損傷になると
半月板損傷になると、膝を伸ばす時に一瞬ひっかかるような違和感(キャッチング)が常にあり、損傷の程度が大きい場合には、断裂した半月板の一部が関節に挟まってしまい膝を伸ばせない状態(ロッキング症状)が起こることもあります。
さらに関節内で炎症を起こすことで膝関節内に水が溜まったり(関節水腫)出血による血液が溜まったりすることもあります。
半月板損傷の見極め
半月板損傷を疑う時には、先ずはどのようにして痛めたのか、膝折れ現象やどのような時に痛みが出るのかなどの状態を詳しく伺います。
次に大腿骨と脛骨の隙間である関節裂隙を指で押してみることで痛みがあるのかを確認したり(圧痛)、マックマレーテスト、ワトソンジョーンズテスト、アプレーテストなど、半月板損傷の有無を確認するためのテストを行って確認していきます。
ここまでをきっちりと行えばおおむね損傷を疑うことが出来ます。
そして疑わしい場合はMRI検査や関節鏡により膝の状態をしっかりと確認します。
その他、合併損傷も可能性も十分ありますから、靭帯の損傷や骨折などもしっかりと念頭に置きながら見ていくことが重要です。
半月板損傷は単独で損傷するよりも、全体の約6割が前十字靭帯や内側側副靭帯の損傷を併発しています。
そして前十字靭帯の損傷により膝関節に緩みが生じた時には、そのまま放置して過ごすことで骨との摩擦により半月板を損傷してしまうこともあります。
(以下の図は膝を痛めた場合に出る圧痛点や痛みを感じる個所となります)
半月板損傷の治療
回復にあたっては損傷の程度が軽症であれば、膝周りの筋肉の筋力アップや筋肉の疲労の除去、膝の柔軟性を出すためのストレッチチを行います。必要であればテーピングや靴のインソールの調整、筋肉を緩める手技も行います。
半月板損傷も手術をしないで回復出来ることが理想ですが、痛みが長く続く場合や日常生活やスポーツ活動などに支障をきたす場合は、関節鏡を用いた半月板の縫合術や部分切除、直視下による手術を行います。
半月板損傷は、適切な判断をして対処していかなければ、将来的に変形性膝関節症へと移行しやすくなってしまいます。
また痛めた個所をかばうことで反対の膝に痛みが出たり、腰痛や足首の痛みへとつながるケースもあります。
よって合併損傷など受傷した膝の状態がどうなっているのかを正確に判断し、手術が必要なのかトレーニングやリハビリ、痛み取りの施術などを行うべきかの判断が出来る知識や経験、詳しく見ることが出来る検査などが重要となります。
膝の痛みでお悩みの方は、当院にご相談ください!
大阪市住吉区長居西3-1-33
藤田鍼整骨院
06-6698-4568
参考文献
嘉陽 宗明(2009)『半月板損傷、膝屈曲可動域制限に対する半膜様筋・膝窩筋へのアプローチについて』第44回日本理学療法学術大会 抄録集
高橋 邦泰(2008)『膝の最前線 膝の外傷を中心に』理学療法学 23巻2号,335-340
山藤 良史・中山 博文・野田 敬二・河野 龍之助(1990)『スポーツによる半月板損傷の治療成績』整形外科と災害外科 39巻1号,37-39
守屋秀繁・佐粧孝久(2007)『半月板損傷』最新整形外科学大系