大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
ヘバーデン結節・ブシャール結節:手指の関節の運動制限、手指の関節の変形、手指の関節の痛み、手指の関節の腫れ、関節リウマチの様な指の痛みや変形など
手指の変形について
手の指の関節のうち最も爪に近い関節はDIP関節、爪から見て2番目となる関節はPIP関節と呼ばれています。
そのDIP関節やPIP関節を曲げ伸ばしした時に痛かったり関節の背中側が腫れてきたり、そこが変形してこぶが出来たような感じになり指が曲がってくることがあります。
これらの変化はDIP関節に出るものはヘバーデン結節と呼ばれ、PIP関節に出た場合はブシャール結節と呼ばれます。
指が変形すると先ず頭に浮かぶのは関節リウマチだと思います。
しかし、ヘバーデン結節やブシャール結節は、指の関節に起きる変形性関節症の一種ではありますが関節リウマチではありません。
関節リウマチの場合
関節リウマチの場合は、朝起きた時に手のこわばりが出ることや、1番爪に近いPIP関節と爪から3番目の関節であるMP関節に痛みや変形が出やすいのですが、爪から2番めのDIP関節の異常は基本的には見られません。
また、リウマチによる炎症がひどくなると、MP関節に加えて手首の関節を構成する軟骨や骨が破壊されるために変形したり指全体が小指側へと傾いたりします。
へバーデン結節・ブシャール結節の場合
へバーデン結節やブシャール結節には関節リウマチのような症状が出ることはほとんどありません。
・ヘバーデン結節
ヘバーデン結節の明らかな原因は不明です。
特徴としては、比較的手をよく使う人に発症しやすいことや、閉経後の40歳以降の女性に多いことなどです。
また、70歳以上では半数以上の方が発症しているとも言われていて、女性ホルモンや遺伝が関与しているとの説もあります。
へバーデン結節の変形は、鳩のくちばしの付け根の様にDIP関節の背側左右に2つのこぶがあるような変形をきたします。
痛みは感じないこともありますが、痛みが出る時は軽度から重度なものまで様々です。
・ブシャール結節
ブシャール結節の変形は、へバーデン結節のこぶのような腫れ方とは違い、PIP関節全体が腫れるような感じになることが多いです。
じっとしていると痛みは感じませんが、指を動かすときに痛みを伴います。
ブシャール結節の原因も不明ですが、指を曲げる腱のすべりが悪くなることでPIP関節に慢性的な力が加わり変形するとも言われています。
ブシャール結節では指先から2番目の関節の手のひら側に、舌状の骨のとげが出来ることもあり、ブシャール結節の場合はひどくなると手を使う場合に不自由なため手術が必要になることもあります。
へバーデン結節、ブシャール結節、関節リウマチの特徴まとめ
ヘバーデン結節とブシャール結節、関節リウマチの変形、痛み、レントゲン像の特徴をまとめるとこのような感じになります。
変形 | 痛み | レントゲン | |
関節
リウマチ |
指の付け根の関節であるMP関節や手関節、指の関節が変形する
その他、足や首の関節も変形することがある |
手関節から指の付け根の関節など、いくつかの関節に左右対称に出やすい
朝の手のこわばりが出る |
関節の隙間が狭くなる
関節軟骨が骨の様になり白く写る 透けたような部分が出る (関節軟骨の浸食や融解像)
|
へバーデン結節 | 指の1番先の関節であるDIP関節の曲がる部分の指先寄りが変形する
鳩のくちばしの付け根にある2つのこぶの様な見た目になる まれに関節背側に粘液嚢腫が出ることがある |
無症状のことも多く、軽度から重度の痛みが指の1番先の関節に出る | 関節の隙間は狭くなる
関節面の軟骨が骨の様になり白く写る とげの様な骨が出来る 関節面が透けたように写る |
ブシャール
結節 |
指先から2番目の関節であるPIP関節が変形する
関節全体が腫れる感じになる |
じっとしていて痛むことはなく、動かすことによる痛みや、運動制限が出る | 関節の隙間は狭くならない関節の手のひら側に舌状の余分な骨が出たりする
(舌状の骨棘形成) |
指関節の変形や痛みが出たら
指の関節に痛みが出た時は、
どの関節の痛みなのか?
その関節のどの部分に痛みがあるのか?
どのような動きで痛みが出るのか?
じっとしていても痛いのか?
両側性なのか?
他の関節に変形はないのか?
朝の手のこわばりはないのか?
などを確認し、判定をします。
そしてリウマチを疑う場合は、レントゲンや血液検査を行います。
ヘバーデン結節やブシャール結節になったら?
ヘバーデン結節とブシャール結節は、基本的に手術などは行わずに保存療法で様子を見ていきます。
医療機関では痛み止めやシップにて経過を見ることが多いと思います。
しかし、へバーデン結節とブシャール結節の痛みは、痛みが出る期間と強さに差があります。
痛みの強い方は日々の生活に大きく支障をきたしますし、いつ治るかという不安が大きいために真剣に悩んでいる方は多いと思います。
当院では
当院では、水仕事など生活に必要なことが出来るように、手軽さと実用性を考慮したテーピング固定を行います。
それにより日常生活の痛みと苦痛を抑えながら変形が落ち着くのを待つのです。
しかし、それでも痛みを強く感じる方にはオルフィットやアルミシーネ、ポリキャストなどの固定具を、出来るだけ着脱を簡単にできるような状態に加工をして着けていただきます。
それは固定期間が長くなることもあるため、固定具自体で生活の負自由度が強すぎると固定具を着けて頂けず良い結果に結びつきにくいためです。
施術は、アイシングや温熱療法、ハイボルテージ療法や鍼灸などの中から、指の状態に合ったものを選び行います。
また、関節に負担をかけない強さで行うマッサージも出来るならば行います。
しかしこれらの手技は、触っていい箇所とダメな個所、強さ加減や触れ方などの感覚を繊細に行うことが出来なければ行ってはいけません。
どのような手技療法においても、それを行う目的や技術が正確でなければよい結果は出ませんし、回復を試みているつもりが返って悪くしていることもあります。
手技療法を受ける際は、どのように悪くなっているのか、だからどうすればどういう理屈で治るのか、そうして再発させないためには何が必要なのかを説明してくれるところ。独自の理論や、データーや根拠のないもの以外の一般的に正しいとされている手段で説明してくれる所で受けて頂きたいです。
ヘバーデン結節やブシャール結節を引き起こすDIP関節とPIP関節は小さな関節ですが、些細な変化に対しても、その状態に合ったきめ細やかな処置を行うことが重要です。
ヘバーデン結節やブシャール結節でお悩みの方は、一度当院にご相談ください。
大阪市住吉区長居西3-1-33
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
鈴木 康夫(2010)『関節炎の鑑別:診断と治療の進歩-変形性関節症-』日本内科学会雑誌 99巻 10号,2497-2502