鎖骨骨折-転倒後腕が上がらない

鎖骨骨折の初期対応や手術後のリハビリは住吉区長居の藤田鍼灸整骨院にぜひご相談ください!

転倒して肩や腕を強打した、転倒後腕が上がらない、肩から前頚部、前胸部の痛みや腫脹など

 

鎖骨は胸の上方、左右に一本ずつあり、真上から見るとS字型をしたその骨の太さは均一でなく、中央部から外側にかけて丸から三角形へと変化しています。

その丸から三角形に変化するところは外力に対して弱く、鎖骨骨折が生じやすくなっています。

鎖骨骨折は全骨折の中で4~15%を占める男性に多い骨折です。

スポーツや転倒によっても発生するためにどの年齢でも生じやすい骨折です。

 

受傷機転

鎖骨骨折は、転倒した際に肩や腕から落ちたり直接衝撃を受けたりすることで発生します。

また、鎖骨骨折の瞬間には「ボキッ!」という音が聞こえる場合もあります。

 

柔道やレスリング、ラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツ、あるいはスキーやスノーボード、スケートボードなど転倒の多いスポーツでよく起こります。

 

鎖骨骨折の分類(Allman の分類)

 

ClassⅠ(鎖骨の中央3分の1に生じるもの)

 

鎖骨骨折の約80%を占め、近位骨片は胸鎖乳突筋の牽引により、しばしば上方転位し、遠位骨片は上肢の重量により下方に転位します。

 

治療は基本的に保存療法で、6~8週間の鎖骨バンドによる固定にて骨癒合は可能です。この鎖骨バンドを巻くときには腋窩の圧迫による神経障害に注意が必要です。

さらに三角筋やアームスリングなどで上腕の重量を支えると、患部への負担が減ることで痛みが軽減され過ごしやすさがアップします。

 

ClassⅡ(鎖骨の遠位3分の1に生じるもの)

鎖骨骨折の約15%を占める。

通常、直接の打撃により起こり烏口鎖骨靭帯の損傷を伴うこともある。

 

  • 治療とNeerの分類
  • Type1: 烏口鎖骨靭帯は損傷されていない安定型。

3~4週間のスリング固定による保存療法が基本となります。

 

  • Type2: 内側の烏口鎖骨靭帯が損傷されている不安定型。

烏口鎖骨靭帯損傷が高度な場合で転位のある場合は手術適応となります。

 

  • Type3:肩鎖関節内に損傷が及んでいるケース。

転移のない場合は3~4週間のスリング固定。肩鎖関節に機械的圧迫が加わる重量物の挙上は骨癒合が確認されるまでは禁止する。

 

ClassⅢ(鎖骨の近位3分の1に生じるもの)

鎖骨骨折の約5%を占める。

通常、大きな力によって生じるため、胸腔内損傷や胸鎖関節損傷を伴うことがある。

 

鎖骨骨折の症状としては

鎖骨部の圧痛や変形、腫脹および異常可動性が見られ、腕を上げると痛みが増します。

 

また、解放骨折は稀ですが骨折した部分のズレが大きい場合は見た目にも分かるようになり、鎖骨外側の骨折では肩鎖関節の脱臼による変形と間違うことがあります。また、腕が上がらないために上腕骨骨折や大結節の剥離骨折との見極めなど詳しい観察が必要です。

 

鎖骨骨折の治療は保存療法の場合、胸を張るような姿勢で骨折のズレを整復してからギプスや専用の鎖骨バンド(クラビクルバンド)などで固定します。

固定の期間は年齢により幅が出ますが、4~12週ぐらいの期間になります。

しかし、鎖骨骨折は手術療法か保存療法かで迷ってしまう骨折でもあります。

その理由は

  1. 斜めに折れている場合や、骨折面が縦に綺麗に折れすぎて骨折面が狭く咬みこみが少ないとギプスなどではずれやすい。
  2. ギプスでやってみてずれてしまうと、鎖骨の変形は服装的にも見える部分であるために、機能的な問題に加えて見た目の問題も残りやすい。
  3. しかし、手術療法でも傷が残ってしまいやはりその部分が見えてしまう。
  4. ギプス固定も鎖骨バンドの固定も長期間の体幹固定となるために苦痛が大きい。

などが上げられます。

 

  • 保存療法のメリットは

傷が残らない、手術をしなくてもいい

  • デメリットは

固定が辛い、固定中にずれる可能性がある、変形する可能性がやや高い

  • 反対に手術療法のメリットは

ずれにくい、固定などの生活上の制約が少ない

  • デメリットは

傷が残る、手術をしなくてはいけない

 

となり、どちらも一長一短であるため傷を気にするかどうか、仕事などの生活内容を重視するかどうかによりよく考えて選ぶ必要がありそうです。

 

鎖骨骨折時に肩の腱板や肩鎖関節なども痛めているケースやとても強い外力が加わった場合には、肺や血管、神経損傷を起こしている場合もありますので、そのようなことが疑われる場合には無理に徒手整復を行うことは危険です。

その他にも肩鎖関節脱臼や胸鎖関節脱臼を合併していることもあります。

 

鎖骨骨折が偽関節となる確率は0.1~5%となっていて大きな外力が加わり骨折部の短縮や転位が20㎜を超える例に多くなります。

 

転倒後などに肩の痛みや腫れ、腕が上がらないなどの症状が出た場合は、鎖骨骨折が疑われますのでお近くの専門家へご相談ください。

 

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