【大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院】
肘の離断性骨軟骨炎とは野球肘の一つで、骨の表面を覆っている軟骨が、軟骨の下の骨の一部とともに壊死をした状態、またはその部分がはがれてしまい、関節内遊離体となってしまった状態を指します。
この離断性骨軟骨炎は、肘関節、膝関節、足関節、股関節などにも起こるのですが、肘関節と膝関節によく起こります。
野球肘には内側の障害と外側の障害、後方の関節障害や尺骨神経の障害があるのですが、離断性骨軟骨炎は、肘関節外側部分の障害として上腕骨小頭に発生します。
そして野球肘の中で、上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎は早期発見、早期治療を最も必要とする疾患だと言えます。
離断性骨軟骨炎は、レントゲン写真により3型に分類されます。
透亮型 | 正面像にて小頭部に限局的な透明巣があるもの |
分離型 | 病巣と周囲の骨との間に透明帯を認めるもの |
遊離型 | 小頭部より病巣が完全に剥脱したり、遊離体となってしまったりしたもの |
離断性骨軟骨炎の原因は橈骨頭により上腕骨小頭へと繰り返し加えられる、圧迫力や剪断力によるものとされています。
離断性骨軟骨炎の特徴としては
- 年齢は10~17歳で12歳頃に最も多い
- ほとんどが男子に発生
- 利き腕に発生
- ほとんどが肘を過度に使用するスポーツに発生
- そのスポーツの大半は野球だがハンドボールやバスケ、剣道、体操にも発生はする
はじめのうちは運動中に肘に痛みを覚え、安静にすると楽になりやがて痛みは無くなります。
しかし、障害の度合いが強くなってきたり長期化させたりすると肘の曲げ伸ばしがし辛くなってきます。また関節を目いっぱい伸ばしたり曲げたりしたときに激痛を訴えることもあり、上腕骨小頭を押さえると痛みが出ることもあります。
急性期には関節が腫れたり水が溜まったりする事もあるようです。
離断性骨軟骨炎を疑う場合は
レントゲンで確認する。さらに細かく見る必要がある時には3D-CT画像。
MRI画像も早期発見に適していますが、
それよりも重要なのは症状が出る前に、定期的に超音波による検査(エコー検査)を受けることだと思います。
スポーツ障害のメディカルチェックを超音波を使って行っている団体はいくつかありますので、離断性骨軟骨炎の症状が出る前に発見して頂きたいと思います。
(離断性骨軟骨炎はPanner病と見分ける必要があります。Pannner病は4~10歳児に多く、レントゲンでの確認が大切です)
離断性骨軟骨炎の治療は先ずは保存療法です。
辛いですがスポーツの禁止、痛めたほうの腕には安静が必要です。
固定具も考慮しながらの安静期間は6か月以上が基本です。
早期の離断性骨軟骨炎でしたらこれだけでも回復する可能性があります。
難しいのですが、安静が必要な期間が長いために、精神的にあまりに辛ければ早期に手術を選択する必要性も出てきます。
また保存療法をがんばったとしても痛みが残ったり肘関節を動かせる範囲が狭くなったりする場合もありますので、スポーツ障害に詳しい医療機関への受診が大切だと思います。
大阪市住吉区長居4-5-18
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
岡 義範(1999)『離断性骨軟骨炎』最新整形外科体系14巻,13章,スポーツ障害,P331~337.中山書店