足関節捻挫(足関節外側靭帯損傷)-足首を捻った・足首の痛み

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足関節捻挫(足関節外側靭帯損傷):足首を捻った・足首の痛み・足関節外側の痛み・足首の腫れ・足関節のぐらつきなど

 

関節は

 

足関節を含む多くの関節は

・骨と骨を繋ぎ止めるバンドの役目をする靭帯(じんたい)

・関節を包み込みながら中に関節液を満たし、関節を繋ぎ止める役割もする関節包(かんせつほう

・関節を通過しながら筋力により関節を支える(けん)

などにより守り支えられ、正常な範囲は動かせること出来て、その範囲を超えることがないようになっています。

 

足関節(距腿関節)の構造

 

足の関節は脛骨、腓骨、距骨で構成され、脛骨と腓骨で作られる果間下関節窩に距骨がはまり込む形となっており、とても安定した関節です。

足関節前面ー距骨滑車と果間下関節窩|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

足関節前面ー距骨滑車と果間下関節窩

 

さらに外側にある前距腓靱帯と後距腓靱帯、踵腓靱帯、内側の三角靱帯、さらには関節を包む関節包や関節周囲を通る腱などの軟部組織により足関節は守られ安定しています。

足関節外側靭帯|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

足関節外側靭帯

足関節ー前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯と前脛腓靭帯|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

足関節ー前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯と前脛腓靭帯

足関節ー三角靭帯|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

足関節三角靭帯

足関節三角靭帯ー前脛距部・脛舟部・脛踵部・後脛距部|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

足関節三角靭帯ー前脛距部・脛舟部・脛踵部・後脛距部

 

また足関節の動きは、足関節の下方や前方にある距骨下関節やショパール関節(Chopart関節)、リスフラン関節(Lisfranc関節)とも関係しながら、底屈、背屈、内反、外反、内返し、外返しなどの複合的な動きが出来るようになっています。

ショパール関節とリスフラン関節|住吉区長居藤田鍼灸整骨院

ショパール関節とリスフラン関節

 

足関節捻挫とは

 

足関節を捻ったりすることで動いてもよい正常な範囲を超えた時に靭帯や関節包、腱などが切れたり伸びたり、軟骨が傷ついてしまった状態のことをいいます。

 

足関節捻挫は大きく分けて内反捻挫と外反捻挫の2種類がありますが、その多くは脛骨と腓骨の軸に対して足関節から下を内側に捻ることにより起こる内反捻挫です。

足関節捻挫ー外側靭帯損傷

足関節捻挫ー内反捻挫

 

そして、内反による捻挫で最もも多く発生するのが足関節外側靭帯損傷となります。

 

大きなケガをした時100%元の状態に戻ることはありません。しかし、100%に近づけ今後の生活をよりよく暮らすためには治療中はもちろん初期の段階から状態の見極めと最適な治療を行う必要があります。

よって先ずはしっかりと検査を行い、どの程度の損傷なのかを把握し分類します。

損傷の程度により固定や手術の必要性が変わるからです。

 

足関節外側靭帯損傷の分類

 

足関節外側靭帯損傷は治療を行う指標として3度に分類されます。

 

1度:前距腓靭帯が伸びた状態または部分的な断裂

2度:前距腓靭帯の完全断裂

3度:前距腓靭帯と踵腓靭帯の断裂(3度では、腓骨腱鞘内側と関節包の広範囲な断裂を伴い、時には三角靭帯深層線維の断裂を伴います)

(断裂部位としては前距腓靭帯と踵腓靭帯は中央部で断裂しますが、後距腓靭帯では距骨付着部が多く、10歳以下では腓骨付着部で断裂することもあります)

 

足関節外側靭帯を損傷すると

 

足関節外側靭帯を損傷すると、損傷の程度にもよりますが患部の腫れや痛みが出現し歩行時にも痛みを伴います。

損傷度が強ければ痛めた個所やその下部であるかかとの側面外側が紫色になる皮下出血というものが見られたり熱感があったりします。

 

足関節外側靭帯損傷の判断

 

足関節外側靭帯損傷を疑う場合は、前距腓靭帯や踵腓靭帯、後距腓靭帯がある部分を指で押して痛みがあるかどうかを確認する圧痛や、すねを前方から押さえて反対の手でかかとを持ち手前に引き出す力を加えることで踵腓靭帯損傷の有無を見る引き出しテストなどの徒手検査を行います。

その他、動かせる範囲と痛む方向、皮下出血や腫れ方、痛めた時の状況などを詳しく見聞きすることで総合的に判断していきます。

靭帯損傷の程度を判断する方法としてはMRIによる画像診断や、足首をねん挫をした方向と同じ方向に捻る力を加えた瞬間にレントゲン撮影を行うストレス撮影を行うこともあります。その場合、すねの骨と足の骨の距骨が加えた力により開きますから靭帯の損傷度や断裂を判断することが出来ます。また骨折を疑う場合はレントゲ撮影により骨折の有無を確認します。

 

足関節外側靭帯を損傷したら

 

先ずは安静にして患部を圧迫しながら冷やし、足を座っているなら台の上にのせたり寝ているならクッションなどで足を少し高くしたりしておくRICE処置(安静・冷却・圧迫・拳上)を行います。

そして損傷の程度によりギプスやギプスシャーレ、サポーター、装具などの固定を行っていきます。

またテーピングは長期の固定方法としては時間とともに緩みますし、動かせる反面固定力は弱いですし、長期の固定としてはかぶれることもありますし結局はコストもかかるので、今からスポーツなどでどうしても動きながら出来るだけ痛みを抑えたいとき以外はお勧めしません。

ギプス、シャーレ、サポーター、装具、テーピングなど、その人の生活や痛み、何より将来のリスクも考えながら行う必要があります。

 

注意点としては

 

足関節外側靭帯損傷は、靭帯の損傷とともに後脛骨筋腱という内くるぶしの後ろを通る腱も損傷されている場合も多く、その場合後脛骨筋不全のため足の土踏まずが低くなってしまう状態になり再発の原因になることもあります。

その他、外くるぶしの後ろを通る腓骨筋腱の脱臼や損傷、足関節前面の前脛腓靭帯損傷、足首の前方やや外寄りにある二分靭帯損傷、腓骨骨折、腓骨遠位端骨端線損傷、遠位脛腓靭帯損傷、距骨骨軟骨骨折、第5中足骨基部骨折、踵立方靭帯損傷,距骨下靭帯脱臼、距骨頭部骨折、距骨外側突起骨折、距骨前方突起骨折などを引き起こしている場合もありますから、内くるぶしや外くるぶしの後ろや下、足関節前面や足背などの圧痛を丁寧に見ることも大切です。

 

最後に

 

損傷により切れたり伸びたりした靭帯は完全に元の状態に戻ることはありません。

痛んだ箇所は結合組織と言う別の組織で修復されるのですが、結合組織は元の組織よりも硬く弾力性がありません。

弾力性がなく硬い組織は一見強そうですが、弾力性のない組織はゴムのように伸びて耐える余力がないので前よりも弱い力で損傷してしまいます。

先ずは状態に合わせた固定を行い、なるべく元の状態へと近づくように回復させていくことが目標です。

そして再発予防として関節周りの筋力を鍛えて関節を安定させることが望ましいです。靭帯損傷がひどく緩んでしまった関節は、筋力によるサポート力が弱いと再発を繰り返し、将来的には変形性関節症などになってしまうからです。

以前「あそこの整骨院はすぐ休めというけどここっちの整骨院はテーピングをしてやらせてくれる」といった会話をたまたま耳にしたのですが、話の内容から察するに先の整骨院は将来のことも考えたうえでの提案だったと思います。

患者さまの将来のことまで考えて提案している場合と今現在の患者さまの希望。どちらも大切なことですから重要なのは、患者さまが将来の話まで聞いているかどうかだと思います。将来のリスクと今現在の希望。その両方の間のどの辺りがベストなのかを患者さまが理解して納得して決められることが重要だと思います。

リスクを知らずに40歳を過ぎた時に痛みや骨の変形が出てきて後悔しないように。

リスクを知っておいたおかげで体重や筋力による予防をしっかりと行ったことで、本来なら出ていたはずの痛みや変形を予防できるように。

外側靭帯損傷はどのようなものか必要な予防法をご自身が知っていれば、再発や将来痛みや変形してしまう確率は下がると思います。

たかが捻挫されど捻挫です。捻挫ですが将来の足首の変形にもつながりますから、状態をしっかりと確認しながら最適な対応していくことが必要です。

足関節に痛みや違和感がある方は、ぜひ当院へご相談ください。

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藤田鍼灸整骨院

06-66984568

 

参考文献

真子 安二・宮原 健次・和田 政浩・本川 哲(1992)『足関節捻挫における靱帯損傷について』整形外科と災害外科40巻3号,1185-1188

壇 順司(2013)『足関節の機能解剖-人体解剖から紐解く足関節の機能-』理学療 法学 40巻4号,326-330.

長谷川 惇(2007)『足関節靭帯損傷』最新整形外科学大系,第23巻スポーツ障害,P384~391.中山書店

熊井 司(2007)『整体力学』最新整形外科学大系,18巻下腿・足関節・足部,P7~19.中山書店

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