大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
筋筋膜性症:腰痛、腰の痛み、腰が重い、腰がだるい、動くと痛むなど
筋肉と筋膜について
筋肉は、収縮する力を使って人の身体を動かしたり姿勢を保ったりします。
筋肉が収縮すると、その反対側にある筋肉は緩みます。
それで人はいくつかの筋肉を収縮させたり伸ばしたりしながら関節を曲げ伸ばししています。
そうして筋肉の働きにより、関節を曲げたり伸ばしたり出来るから立ったり座ったり走ったりなどの日常生活を送ることが出来るのです。
その筋肉を包んでいる線維性結合組織でできた強靭な膜のことを筋膜と言います。
筋筋膜性腰痛とは
筋・筋膜性腰痛とは、腰周囲の筋肉や筋膜および筋肉や筋膜を貫いている皮神経が過剰に緊張したり、それに伴う損傷をしたりすることで、循環障害や炎症性の痛みを発する腰痛とされていますが厳密には明らかにされていません。
筋筋膜性腰痛は、医療機関でレントゲンを撮った時に、骨に異常が見られない場合によく付くことがある病名だと思います。
筋筋膜性腰痛は、長時間の無理な姿勢やスポーツなどによる急激な腰への負荷が主な原因で、基本的には骨や関節には異常がみられません。
ただし、椎間板変性や変形性脊椎症、腰椎分離症、腰椎分離すべり症、骨粗しょう症などの疾患が基盤にあり、二次的に筋・筋膜性腰痛症を起こしている例も少なくありません。
筋筋膜性腰痛は20~40歳に多くみられます。
筋筋膜性腰痛になると
筋筋膜性腰痛になると、腰が重い、だるい、凝った感じがするなどの腰の違和感で始まりますが、それをそのまま放置することにより、筋肉や筋膜に疲労がたまり炎症を起こします。
触ると硬いしこりを感じるようになり、その硬結部は「索状硬結」「筋硬結」と呼ばれ、その中に押すと痛みを発する圧痛点があります。
圧痛点はトリガーポイントともいわれ、その部分を圧迫するとその部位をはじめに周辺まで広い範囲に疼痛を発生させる(関連痛)を誘発させるのが特徴です。
筋肉や筋膜が硬くなると、筋肉自体が損傷を受けやすくなり、その状態が続いている中で、不意に腰に負荷がかかると、ギックリ腰と言われる状態になってしまいます。
急性期には強い腰痛を感じ、坐骨神経痛の様な放散痛が出ることもあり、慢性期になると痛みは軽減しますが、筋肉や筋膜が原因となる疾患ですので、動きに伴い痛みは増悪します。
特に姿勢を変える時や中腰の姿勢、歩行も不自由になることもあります。
運動痛としては前屈に制限が出やすいのですが、後屈が制限されにくいことが特徴的だといえます。
筋膜性腰痛の急性期と慢性期では、以下の様な違いがあります。
急性期 | 慢性期 |
・激烈な腰痛、時に坐骨神経痛の様な症状が出ることがある
・前屈と後屈、中腰が困難、姿勢や身体の向きを変えるのが辛い ・歩くと痛みが強くなっていく、歩行障害または不能 ・筋肉に硬い部分が出来たり、押すと痛みが出たりする ・発汗障害と知覚鈍麻 |
・前屈と中腰のみ痛みが出る
・歩行障害は少ない ・物を持ち上げる動作が辛い ・筋肉を押すと痛みが出るが筋肉の硬い部分は急性期より小さい ・発汗障害と知覚鈍麻 |
参照:最新整形外科学大系
筋筋膜性腰痛の治療
医療機関では筋筋膜性腰痛の治療は確率されていないとされていて、代替医療では、その他の施術同様、施術者の方針や身に付けた方法により様々な施術が行われます。
骨盤や背骨の歪みが原因であり骨盤や背骨の矯正を行う。
筋肉や筋膜に問題があるために筋肉や筋膜の調整を行う。
筋力低下が問題であるためにトレーニングを行うなどです。
最近では西洋医学でも、腰痛は精神的ストレスが関係する部分が多いとされる考え方や研究結果もありますから、精神的ストレスも視野に入れながら施術を行う必要性があります。
当院の施術
精神的ストレスが腰痛の大部分を占めるという考えで処置をしてしまうと、器質的な問題を見逃すことになるために、先ずは本当に痛めていないのかどうかをしっかりと探す作業が必須であると考えています。
そしてしっかりと今の状況や過去に気になったことまでお伺いして、精神的ストレスの有無も考えていきます。
それが出来れば心理的な要因を考慮しながら、見つけた損傷に対して必要な施術を行っていきます。
施術は、損傷を起こしている筋肉や筋膜にかかる負担を軽減することを目的とします。
痛んでいる個所に直接かかる負担を減らすことが出来れば出来るほど、痛める理由はなくなります。
痛める理由を無くすことが最高の回復方法です。よって当院では負担を減らすための回復プランを考えることとなります。
その負担の軽減を行うためには、硬くなっている患部の筋緊張を緩める手技や鍼灸治療を行います。
それにより筋肉と筋膜の硬さや緊張を取り除くことが出来れば筋肉本来の働きができますから、緊張による不必要な負荷が取れ、筋肉の硬さや緊張、血流障害によるによる問題は解決されると考えます。
また、コルセットを正しく装着することにより、腰椎への負担を減らすことも合わせて行いたいです。
ただしコルセットもその形状や材質、巻き方によっては意味のない状態となり、その様な状態で付けて来られる方もいますから、コルセットは正しいものを選び正しく付けて頂きたいです。
順調に腰の状態が回復したら再発を予防するために、腹筋群を中心とした筋力トレーニングを行い、筋力強化まで出来ると腰の痛みを繰り返すことは少なくなります。
腰痛は痛みの強さではなく、痛めた程度が軽い場合は放っておいても回復することは多いです。
痛みの意味
痛みは身体の防衛システムです。
痛みを感じることで体を守っています。
痛みがあるから痛みの出る悪い動きを避けたり痛まないように休息をとったりすることになるのです。
もちろん激痛の場合は痛みをごまかし、痛みの嵐が過ぎ去るのを待つことも良いと思います。
しかし、放っておくことやごまかしの効かない本当に痛めている場合は、しっかりと痛みを感じながら何が悪くて何をすればよいのかを痛みに教えてもらうことも大切です。
痛みを根本からなくすためには
最近ではインターネットなどで検索すると様々な改善方法が載っていて、テレビや雑誌でも腰痛に関する特集をよく見かけます。
どれも間違いではないかもしれませんが、放っておいても回復するもの以外はテレビや雑誌、インターネットに載ってある方法を使って回復させることは難しいと思います。
腰痛という問題は誰にでも発生する可能性がありますが、年齢、性別、職業、発生回数、趣味、筋力など様々な要素で解決策の内容は必ず違います。
どんなケースにも通ずる治療法や体操は今のところどこにもありません。
よって、その解決策を提案できるのは痛めた方の体を見た専門家だけだと思います。
そしてその専門家には痛めた内容を見極めることができることと、その状態に合わせた正しい施術やリハビリが出来ることが必要です。(見極めても施術ができなければ回復の助けは出来ませんし、見極めずの前に施術を行うことはありえません)
根本からの回復方法は
痛めることになった原因を無くすための施術と生活改善
一人ひとりの今現在の身体の状況に合わせた施術と生活改善を実行する。
体質を変えたり身体を強くしたりする場合も、自分の身体に合わせた自分の身体にとって本当に必要なものを自分が出来る形で行う。
身体の回復には、これらのことを踏まえて実行しなければ、自分の身体に合っていない、自分の身体には負担が大きすぎる、または必要な量を満たしていない状態となるために回復は遠のきます。
原因をなくせない場合は、それに打ち勝つ身体を手に入れる
仕事や生活環境、過去の大けがなど、どうしてもなくせない 原因があることもあります。
その場合はそれがあってもそれに打ち勝つことができる体を手に入れることが大切です。
(これらが無理な場合は人の手による定期的な体のメンテナンスが必要だあと考えます)
最後に繰り返しになりますが施術や生活改善には次の3つが重要です。
- 詳しい専門家に腰痛の状態をしっかりとみてもらう
- ご自身の腰痛に合った施術を受ける
- 自分に合った生活改善や必要な運動を実行する
筋筋膜性腰痛でお悩みの方はぜひ当院にご相談ください。
大阪市住吉区長居西3-1-33
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
辻井 洋一郎(1991)『筋・筋膜性疼痛症候群の治療目的について』理学療法学 18巻 6号,617-621
関口 美穂・紺野 慎一『筋筋膜性腰痛』最新整形外科大系、胸腰椎・腰椎・仙椎,234-236