大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
母趾種子骨障害:足の裏の痛み、足の親指の付け根の痛み、歩行時や荷重時の痛み、ランニング障害など
種子骨とは
種子骨とは植物の種子に似た形をしているためにそう呼ばれるのですが、手足の特定の腱や靭帯の中にみられる小さい骨のことです。
種子骨は関節を動かした時に起こる腱や靭帯と骨の摩擦を軽減したり、腱や靭帯が動く向きを変えたりする役割を持っていて、実は大きなものとしては膝蓋骨(膝のお皿)も種子骨の一種となります。
そして母趾球と呼ばれる足の親指の付け根部分にも2つの種子骨があって、その種子骨が何らかの原因で障害を起こした状態を母趾種子骨障害と呼びます。
母趾種子骨障害とは
母趾種子骨障害とは母趾種子骨やその周辺の組織に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる疾患ですが、種子骨障害は種子骨や組織の炎症だけではなく、時にはその小さな種子骨が骨折したり壊死したりすることもありますので注意が必要です。(壊死=骨の細胞が死に衰えていく状態)
母趾種子骨障害の特徴としては、小・中学生に多く発生し、大学生以上になると減少していく傾向があります。
しかし当院にお越しいただき、種子の骨折と壊死の可能性が疑われたので専門の医療機関に行って頂いたところ、骨折、壊死が見つかり手術になったケースもあります。その方はそれまでの2年間、別の整形外科で痛み止めと注射の治療を受けていましたから、医療機関といえど変化のない場合は、より詳しい医療機関への受診が望ましいと思います。
母趾種子骨障害の原因としては
母趾種子骨障害のお原因としては陸上などのよく走るスポーツ、バスケットボール、空手や剣道など踏み込むことの多いスポーツ、バレエのようにつま先立ちの多いスポーツや同じような足への負担を繰り返す労働など、強い外力や繰り返しの負荷が種子骨にかかることにより発生します。
また、生まれ持って種子骨が2つに分裂している場合(分裂種子骨)もあり、その場合は分裂していることが痛みの原因となることや足のアーチが高い人など、種子骨の状態や足部の形状など構造的なことが問題となることもあります。
自身の足の使い方や構造的な問題以外ではハイヒールをよく履く人は種子骨障害が発生しやすかったりするようです。
母趾種子骨障害になると
種子骨障害になると、歩いたり走ったり踏み込んだ時に足の親指の付け根の足底側(母趾球部)に痛みがあり、その部分を指で押したり親指を強制的に反らせると痛みが出ます。
悪化してくると足を地面につけただけでも痛みが強くなるので歩くだけでも辛い状態となります。
母趾種子骨障害を疑うとき
母趾種子骨障害が疑われる時は痛みの出のはどのような時であり、それが種子骨障害の特徴と一致するのか、普段どのように足を使っているのかなどから種子骨障害である可能性などを絞っていきます。
徒手検査では親指の付け根の足底側の押して痛む場所、母趾を反らせたときの痛みなどを確認します。
よく観察すると反対側よりも腫れていたりしますが、左右の足底をしっかりと比べなければ分からないかもしれません。
種子骨障害が疑われたり施術の経過を見て回復が想定外である場合はレントゲン写真にて、分裂種子骨、疲労骨折、無腐性骨壊死などがないか種子骨の状態を確認します。
母趾種子骨障害になってしまったら
種子骨障害になったら痛みが強いうちは原因となった運動の制限が出来れば、それを行い足を安静にします。
当院では安静が難しい場合やより早く回復させたい場合、アーチの低さや足を地面に着地させる時に問題がありそうな場合は母趾球部に負荷がかからないようにするためのパッド(足底板)を用いた調整を行います。
また足の裏に筋肉の硬さが見られる場合は、筋肉に手技を加えて筋肉の柔軟性を出していくことも効果的です。
種子骨障害の場合も難しいケースであるほど種子骨障害の原因になっているものを探り、原因に対して必要な事を行い、生活面も含めて総合的に回復させていくことが大切です。
足に痛みや違和感がある方は、ぜひ当院へご相談ください!
大阪市住吉区長居西3-1-33
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
甲斐 功一・水田 博志・久保田 健治・佐久間 克彦・高木 克公・井上 誠一・大島 隆(1989)『スポーツ選手にみられた母趾種子骨障害』整形外科と災害外科 38巻1号,176-180