椎間関節性腰痛(腰椎椎間関節症):腰痛、急激な腰の痛み、腰を反れない、腰を反らすと痛みが出る、体を捻ると痛むなど
大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
腰椎と椎間関節
こしぼねなどと呼ばれる腰の部分の骨である腰椎は、椎骨という5つの骨が上下に積み重なることで出来ています。
その椎骨は、前方の円柱状の部分を椎体、後方部分は椎弓と呼ばれ、椎弓から上下に出ている上関節突起と下関節突起という突起部分は上下の関節突起とつながり椎間関節という関節を作っています。
腰椎は椎骨の前方部分である椎体が椎間板という軟骨のクッションを介して上下の椎体とつながる部分と、後方の椎間関節の2つの部分で動くのです。
腰椎椎間関節の特徴
腰椎椎間関節は、腰椎の後方を支持するのですが、脊柱にかかる荷重の約16%を受けています。
また椎間関節は、外側は線維性、内側は滑膜で出来た関節包という2重構造の膜に覆われています。
そして関節包やその周りの組織には、痛みを感じ取り伝えるための神経線維や侵害受容器が豊富に存在しています。
腰椎椎間関節症となる要因
椎間関節性腰痛を引き起こすとされる要因には以下のようなものがあります。
- 椎間関節に荷重や運動による刺激が加わる
- 長年の使用により関節が痛んでくる
- 上の椎体の下関節突起と、下の椎体の上関節突起の間で作られる関節面に、椎間関節を覆う関節包などの組織が挟み込まれる
- 椎間関節に分布する神経(脊髄神経後枝の内側枝)が絞扼される
- 何らかの原因により発生した椎間関節の炎症や嚢胞
腰椎椎間関節症になると
腰椎椎間関節症になると、痛みにより後屈や身体を捻ることがし辛く、筋肉が硬くなり、腰椎の棘突起やその傍らを押すと痛みが出ます。(腰椎棘突起=腰を前に丸めると触れやすくなる腰の中央部分上下に連なる骨の出っ張り)
また、痛みは左右のどちらかだけに感じることが多く、関連痛が殿部や大腿部にまで現れることがありますが、膝から下に出ることはありません。(関連痛=腰の部分の障害により神経が刺激されることで殿部や太ももに感じる痛み)
その他、感覚の異常や運動障害が出ることもあります。
腰椎椎間関節症と言われたら
医療機関では、レントゲン撮影後に安静を基本として痛み止めや湿布などで様子を見ることが多いようです。痛みが特に強い場合は、椎間関節ブロック注射を行うこともあります。
また、レントゲンでは異常なしと言われることも多いと思いますが、痛みがある限りどこかに問題があると考えるべきです。
画像ではそれ以上分からないこともありますが、痛みの特徴や筋肉の硬さ、体の傾き、神経症状の有無などによりどこが痛んでいるのかは想定して頂いた方がいいと思います。
当院では
痛みを感じている時や痛みがなかなか引かない場合は、周囲の筋肉である背筋や腰回り、ハムストリングスなどの緊張をとってあげることで楽になることも多いです。
しかし、関節を痛めている時に筋緊張を取り除く時は、関節に負担がかかる方法では悪化を招きますから、筋緊張を取り除く方法は関節に負担をかけない手技を用いることが大切です。
また、日常的に背筋や腰回りの筋肉に疲れが溜った状態は腰椎への負担が増すことになります。
過剰にかかる不必要な負担は腰椎に関連する問題が出やすくなります。
荷重のかかる関節となる腰椎の障害は、腰椎への荷重や運動による負荷と、腰椎を守る筋力とのバランスにより左右される部分が非常に大きいのです。
よって、治りにくい腰痛や何度も繰り返す腰痛ほど日常生活を正しく変化させていくことも重要になってきます。
当院では腰椎に負荷のかかりにくい方法で行う手技や日常生活の改善のアドバイスも常に行いながら施術を行っています。
痛めた腰椎の回復方法や腰痛の予防方法については、ぜひ当院にご相談下さい!
大阪市住吉区長居西3-1-33
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
山下 敏彦(2007)『椎間関節性腰痛の基礎』日本腰痛学会雑誌 13巻1号,24-30
田口 敏彦(2007)『腰椎椎間関節由来の腰痛の病態と治療』日本腰痛学会雑誌 13巻1号,31-39
石井 祐信『腰椎椎間関節症候群』最新整形外科大系、胸腰椎・腰椎・仙椎,291-294