大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院 http://shinkyuuseikotsu.com/
前十字靭帯損傷(ACL損傷):膝がぐらぐらする、膝に力が入らない、膝が腫れて熱をもつ、膝が完全に伸びない、膝の痛みで正座が出来ない、歩いていると膝がカクッとなるなど
その他の膝のスポーツ障害についてはこちらから>>膝関節スポーツ障害(外傷)の圧痛点・成長期の膝の痛み
膝関節は
膝関節は、太ももの骨である大腿骨とすねの骨である脛骨、そして膝蓋骨の3つの骨で構成される体の中で最も大きな関節です。
体重がかかってくる荷重関節ですが、非常に不安定で適合性の悪い関節と言われています。
その膝関節を安定させるために、前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯の4つの靭帯と半月板が重要な役割を果たしています。
前十字靭帯とは
前十字靭帯は、膝関節の中にある大腿骨と脛骨を結ぶ強靭な靭帯であり、前内側線維と後外側線維とに分けられます。
前十字靭帯の前内側線維は伸展時、後外側線維は屈曲時にそれぞれが緊張して、脛骨が前方にずれたり、捻じれたりすることを制限する働きをしています
前十字靭帯損傷は
靭帯に強い外力や捻る力が加わることにより損傷してしまった状態のことをいいます。
主にスポーツで損傷することが多いのですが、日常生活の中での転倒や打撲などのちょっとした怪我や、交通事故などでの外力によっても損傷してしまうことがあります。
原因としては
スポーツ活動中での、ジャンプ後の着地、疾走中の急激な方向転換、ストップ動作、相手との接触などによって、膝関節に異常な〝捻る力〟が加わって損傷することが多いです。
また、それらは直接外力を受けて受傷する「接触型」と、間接的に膝に外旋力が加わり受傷する「非接触型」に分けられます。
その頻度としては、「非接触型」が多く、軽微な外旋力でも受傷することがあるため、受傷した本人も靭帯を損傷していることに気付かないような場合もあります。
受傷頻度の高いスポーツとしては、バスケットボール、サッカー、スキー等の下腿に回旋力が働く種目や、ラグビー、アメリカンフットボール、柔道、格闘技等の接触の多い種目が挙げられます。
前十字靭帯損傷になると
受傷時に、『ブツッ』という断裂音を感じたり、膝が外れた感じがしたりします。
しばらく(数時間~数日)して、関節内に徐々に血が溜り(血腫)、膝が腫れて曲りが悪くなったりします。
受傷後3~4週間を過ぎると、腫れや痛みは軽減し、日常生活に支障がなくなるぐらいまでに痛みは治まります。
しかし、膝関節の動く範囲を一定にとどめる役割を果たす前十字靭帯の機能が失われると、関節が常にぐらつくために突然膝がカクッと抜けるような膝崩れ現象(Giving Way)という現象が生じます。
前十字靭帯損傷を疑うとき
問診、触診、徒手検査法(膝の前方引出テストやラックマンテスト)によっておおよその判断が可能です。
徒手検査法や所見をみて前十字靭帯損傷が疑われた場合は、MRIにより損傷の程度や合併症の確認などを行います。
前十時靭帯損傷になったら
前十字靭帯は自己治癒能力が低く、保存療法で完全に治癒する確率は低いため、スポーツ活動を継続したい方、または日常で「ぐらつき」や「膝崩れ現象」が出現してしまう方は、靭帯の再建手術を行うことが望ましいです。
また、放置していると膝関節が不安定になり、半月板や関節軟骨を傷めてしまうこともあります。
最後に
最後に、膝の外傷については、合併損傷も考慮しなくてはなりません。
受傷した際、膝の状態がどうなっているのかを正確に判断する必要があります。
特に前十字靭帯損傷の場合は内側半月板や内側側副靭帯も同時に損傷する「アンハッピートライアングル(不幸の三徴候)」と呼ばれる予後の悪い状態かもしれません。
その場合はケガをした時の体制が、体重がかかったまま、つま先が外側を向き、膝が内側に入った状態で、膝を捻った場合によく発生しますからケガをされた方のお話を詳しく聞く事が大切になってきます。
膝を痛めた後に違和感やぐらつきを覚えた際には、ぜひ当院にご相談ください。
大阪市住吉区長居4-5-18
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
阿部 信寛(2011)『膝前十字靭帯損傷』岡山医学会雑誌123巻1号,53-55
加藤 有紀(2013)『前十字靱帯損傷の臨床』日大医学雑誌 72巻2号,81-85