前十字靭帯損傷(ACL損傷):膝がぐらぐらする、膝に力が入らない、膝が腫れて熱をもつ、膝が完全に伸びない、膝の痛みで正座が出来ない、歩いていると膝がカクッとなるなどのご相談は大阪市住吉区長居の藤田鍼灸整骨院へ!
前十字靭帯は一般的にACLとも呼ばれ、膝関節の中にある靭帯の一つで、膝関節が前後にずれる事を防いだり、膝が捻じれる事を防いだりする役割を持っています。
よって、この靭帯が切れてしまうと、膝関節は前後にずれたり捻れる範囲がオーバーしてしまったりします。
前十字靭帯損傷には完全断裂と部分断裂があるのですが、前十字靭帯損傷として問題となるその多くは完全断裂です。
受傷原因としては、スポーツでの受傷頻度が高く、ジャンプ後の着地、疾走中の急激な方向転換、ストップ動作、相手との接触などによって、膝関節に異常な〝捻り〟が加わって損傷します。
また、それらは直接外力を受けて受傷する「接触型」と、単独で膝に外旋力が加わり受傷する「非接触型」に分けられます。
その頻度としては、「非接触型」が多く、軽微な外旋力でも受傷することがあるため、受傷した本人も靭帯を損傷していることに気付かないような場合もあります。
前十字靭帯を損傷すると『ブツッ』という断裂音を感じたり、膝が外れた感じがしたり、激しい痛みを伴ったり、膝が腫れて曲りが悪くなったりします。さらには関節内血腫もみられます。
受傷後1ヶ月もすれば腫れや痛みは軽減し、日常生活に支障がなくなるぐらいまでに痛みは治まります。
しかし、膝関節の動く範囲を一定にとどめる役割を果たす前十字靭帯の機能が失われると、関節が常にぐらつくために突然膝がカクッと抜けるような膝崩れ現象(Giving Way)という現象が生じます。
さらに前十字靭帯損傷による関節の「ぐらつき」や「膝崩れ現象」を放置すると、半月板や軟骨を損傷するリスクが高くなるため、前十字靭帯損傷を放置すると、比較的早くに変形性関節症へ移行するといわれています。
前十字靭帯損傷を発見するためには、徒手検査法である膝の前方引出テストやラックマンテストを使うことで判別はおおよそ可能です。
その場合、損傷から数日たてば引き出しテストでも十分わかりますし、損傷直後の血腫や腫れのある間は引き出しテストよりもラックマンテストでの判別が有効です。ただしラックマンテストを行うには少しコツが必要です。
そして徒手検査法や所見をみて前十字靭帯損傷が疑われた場合は、MRIにより損傷の程度や合併症の確認などを行います。
各種検査にて前十字靭帯損傷と言われた場合は、スポーツ活動を継続したい方、または日常で「ぐらつき」や「膝崩れ現象」が出現してしまう方は、靭帯の再建手術を行うことが望ましいです。
最後に、膝の外傷については、合併損傷も考慮しなくてはなりません。
受傷した際、膝の状態がどうなっているのかを正確に判断する必要があります。
特に前十字靭帯損傷の場合は内側半月板や内側側副靭帯も同時に損傷する「アンハッピートライアングル(不幸の三徴候)」と呼ばれる予後の悪い状態かもしれません。
その場合はケガをした時の体制が、
- 体重がかかったまま
- つま先が外側を向き
- 膝が内側に入った状態で
- 膝を捻った場合
によく発生しますからケガをされた方のお話を詳しく聞く事が大切になってきます。
膝を痛めた後に違和感やぐらつきを覚えた際には放置せず、お近くの専門家にご相談ください。
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4668
- 参考文献
- 加藤 有紀(2013)『前十字靱帯損傷の臨床』日大医学雑誌 72巻2号,81-85
- 高橋 邦泰(2008)『膝の最前線 膝の外傷を中心に』理学療法学 23巻2号,335-340