大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院
キーンベック病:手首の痛み、手を動かすと痛む、握力の低下、手首の動きが悪くなったなど
月状骨は
手関節は、前腕の骨である橈骨や尺骨と手根骨と呼ばれる8つの小さな骨で構成されています。
月状骨は、手根骨のなかでも橈骨寄りに位置し、手首が動くときに大きな役割を果たします。
キーンベック病とは
キーンベック病とは、小さな外傷が繰り返し加わることで月状骨が血行障害を起こし、萎縮したり潰れたりする疾患です。
基本的には20~40歳の男性の利き腕に発症することが多いのですが、若年者や高齢の女性に発症することもあります。
中でも若年者に発症した場合は外傷がきっかけとなっていることが多いため、月状骨骨折と関係があるのではないかと言われています。
キーンベック病の原因としては
はっきりとした原因は明らかになっていませんが、月状骨の周りのほとんどは軟骨であり血行が乏しいため、手の使い過ぎや小さな外傷の繰り返しなどが発症の原因になりうると考えられています。
キーンベック病は、もともと関節の形状が月状骨に負荷がかかりやすくなっている人や、手を使用する頻度が高い方に多くみられます。
関節の形状による発症要因としてはマイナスバリアンスがあります。
通常、橈骨と尺骨は手関節の所で長さがほぼ揃うゼロバリアンスの状態で、手根骨とバランスよく繋がっています。
ところが生まれつきそうであったり、骨折などにより2本が手首部分で揃っていないケースがあるのです。
橈骨に対して尺骨が長くなっている場合をプラスバリアンス。
逆に橈骨に対し尺骨が短くなっている場合をマイナスバリアンスと言い、マイナスバリアンスであると、手首を使うときに橈骨側へかかる負担が大きくなります。
そうして大きくなった月状骨と橈骨間の負荷はキーンベック病の発生要因となりうるわけです。
そして、手の使用頻度が高いケースとしては、手に力を入れて使う仕事(大工さんや調理師さんなど)やテニスやゴルフ、バレーボールなどがあります。
キーンベック病になると
キーンベック病になると、手関節の甲側に運動痛と月状骨に限局性の圧痛がみられることが多いですが、通常痛みは激烈ではなく腫れもあまり見られません。
しかし、若者の外傷がきっかけとなるタイプのキーンベック病では手関節の腫れや痛みが強く、悪化していくスピードも速いことが多いようです。
進行していくと安静時にも痛みを伴ったり、関節の動きが悪くなったり、握力の低下や手首が腫れるなどの症状が現れることもあります。
キーンベック病が疑われるときは
手関節の中心部分の痛みや腫れ、握力の低下、運動制限などの症状や月状骨の圧痛、レントゲンなどで診断していきます。
しかし初期の段階ではレントゲンでは発見されにくく、その場合にはMRIやCTを撮影することによって診断が可能になることがあります。
キーンベック病を回復させるには
初期の段階や手をあまり動かさない場合は、装具などで固をして経過観察することで回復することもあります。
特に高齢者の場合は悪化の程度に関係なく保存療法で回復することが多くなっています。
しかし、進行して月状骨が潰れてきてしまうと、手術療法を選択するようになります。
キーンベック病は、初期の段階での診断は難しいとされていますが、放置すると骨の壊死や圧潰が進行してしまいます。
よって手首の痛みや腫れ、動かしにくいなどの症状を感じた場合は、この疾患も疑い鑑別してくれる先生に相談されることをおすすめします。
手首の痛み、手を動かすと痛む、握力の低下、手首の動きが悪くなったなどの症状が出ていられる方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
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参考文献
堀井 恵美子・中村 廖吾(1997)『Kienböck病に対する保存療法』プラクティカルマニュアル 手疾患保存療法,金原出版株式会社,107-112