上腕骨顆上骨折-ギプスやリハビリが大切な子供の肘の骨折

住吉区長居藤田鍼灸整骨院

上腕骨顆上骨折:ギプスやリハビリが大切な子供の肘の骨折、肘の強い痛みや腫脹、肘の変形など

 

上腕骨顆上骨折は

 

上腕骨顆上骨折は上腕骨に生じる肘の骨折の1つです。

まれに成人でも交通事故やスポーツなどで起こることがあるのですが、14歳未満、3~8歳の小児に多くみられ、子供の肘の骨折の50~60%を占める最も頻度の高い骨折です。

また、女児よりも男児に多く、右よりも左、冬よりも活動性の高い夏に起こりやすい骨折です。

 

 

 

上腕骨顆上骨折は

  • 骨折をしてしまう時に腕の骨折も一緒に起こることや、血管、神経を一緒に痛めてしまうことが多い
  • 整復や固定が不十分であると、骨折部分から先の腕が小指側へと傾いた状態で骨が付いてしまう
  • 強い痛みを伴うようなリハビリをすると、骨化性筋炎などの問題が発生しやすい
  • 固定により関節が硬くなり、肘の曲げ伸ばしがし辛くなる
  • 子供が肘を痛めて発生する外傷には骨端線離開もある

などの注意点から、骨折部の状態の見極めや固定、リハビリまでを慎重に行う必要があります。

 

 

 

顆上骨折の分類

 

上腕骨顆上骨折は、どの位置で骨折をしたのか、どのような形で骨折をしたのかによって分けられています。

 

 

 

骨折の位置による分類

 

骨折をした箇所が内顆と外顆の真ん中の高さで横切るものを下位型と呼び、下位型よりも肘から離れた位置で骨折したものは上位型と呼ばれますが、ほとんどの場合顆上骨折は下位型となります。

上腕骨顆上骨折|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

上腕骨顆上骨折(前面)

上腕骨顆上骨折の分類(側面)大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

上腕骨顆上骨折の分類(側面)

 

 

 

骨折をした形による分類

 

肘関節がまっすぐの状態よりも、さらに伸びた状態で手を着いたときに生じた場合を伸展型、肘を曲げた状態で肘頭の部分を着くことで起こるタイプを屈曲型と呼びます。

伸展型の場合は骨折線が前下方から後上方へと入り、骨折部から先は後上方にずれてしまいます。

上腕骨顆上骨折(伸展型)大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

上腕骨顆上骨折(伸展型)

 

また、屈曲型は骨折線が後下方から前上方へと走り、骨折部位より先は肘の前方へとずれることになります。

この場合のほとんどは伸展型であり、屈曲型は2%にとどまります。

上腕骨顆上骨折(屈曲型)大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

上腕骨顆上骨折(屈曲型)

 

 

 

 

原因

 

ほとんどは、転落や転倒の際に肘を伸ばして手をついたときに起こります。

(子供の上腕骨顆上部は、骨の表面を構成する硬くて緻密な部分が薄く細くなっているので、強い力が集中してかかるため折れやすくなっています)

 

 

 

症状としては

 

肘の強い痛みや腫れ、肘の曲げ伸ばしが出来ない、肘の変形(骨折部のずれ)などです。

時間経過とともに皮膚の下に血が滲んでくるような状態になることもあります。

また、骨折部のずれが大きいときは、神経や血管を損傷してしまうこともあります。

 

 

 

さらに詳しく

 

顆上骨折は、骨折した部分が前後左右、さらに捻じれた状態でずれてしまうことがあるのでとても判断の難しい骨折でもあります。

それらは骨折の程度により、骨の表面を覆う膜の傷み具合で大きく変わることになります。

 

顆上骨折は10~30%に神経損傷、2~10%に血管損傷、3~13%に前腕骨の骨折を引き起こすという報告もあります。

 

最終的にはレントゲンにて確認を行いますが、顆上骨折を疑う時に先ず骨折部位を見てみると、ずれていない軽度のものは変形はありませんが、損傷の程度が強い場合は後方、時に前方凸となるような変形が見られます。

 

さらに時間がたつと腫れや血が滲むような皮下出血が見られます。この場合、分かり辛いような腫れは左右の腕の太さをメジャーで測り比べることで確認します。

 

ずれの少ないものは骨折部位を押して痛むのか、骨折部は触らずに骨折部をたわませるような力を加える介達痛加える等を行います。

 

また、この時に神経や血管を痛めている可能性もありますので、左右の手指をそっと触れることで感覚の鈍さを確認したり、爪を押さえて白くなった爪が押さえることをやめれば元の血色に戻るかどうかの確認を行ったりします。

神経血管の障害は固定中に発生することもありますから、この確認は固定中もしっかりと行い、固定による神経血管障害がでていないかのチェックを行うことはとても大切です。

 

顆上骨折は子供に発生する骨折ですから、これらのチェックはしっかりと行い、のちに障害が残らないような配慮が必要です。

 

 

 

顆上骨折の固定

 

ずれの程度により、整復後にギプス固定で保存的に治していく場合と、鋼線を刺して固定する手術療法が選択される場合とがありますが、多くの場合は保存療法で対処することができます。

 

ギプス固定は、骨がずれていなければ肘関節を伸ばした状態から90~100度くらい曲げた位置で固定を行います。

 

また、ずれていた骨折は出来るだけ元の状態に整復し、肘は伸ばした状態から110~120度曲げた位置で固定を行います。

ずれていた骨折は、そこまで曲げて固定を行わないと再びずれやすいためです。しかし、この場合は肘の前面での血行障害が起こりやすいために手首の脈拍をしっかりと確認しておきます。

 

肘関節は拘縮を起こしやすい関節ですが、3週間程度の固定で拘縮することはなく、拘縮を起こす場合はその他の要因があるかかもしれません。

固定により手指に強い痛みと腫れを伴う場合は、前腕の内圧が高くなっているコンパートメント症候群かもしれません。その場合は直ちに医療機関での手術が必要です。

 

骨を正常な位置に戻して固定を行えない場合は、肘が内側や外側に曲がってしまったり、曲げることが出来なくなったりし、さらにその変形による神経障害が出ることもあります。

 

子供さんが転落や転倒により肘を負傷したときは、正確な判断にて痛めた程度や合併症の有無の確認を行い、顆上骨折であれば、きちっとした固定と経過観察が必要になってきます。

上腕骨顆上骨折の初期対応や術後のリハビリは、ぜひ当院にご相談ください!

 

大阪市住吉区長居4-5-18

藤田鍼灸整骨院

06-6698-4568

 

参考文献

 

阿部宗昭「上腕骨顆上骨折」最新整形外科学大系,第14巻6章,p169~182.2007中山書店

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