大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院
頚肩腕症候群:首こり、肩こり、首・肩・腕・背中の痛み、首・肩・腕・背中のしびれ感などの感覚異常、首・肩・腕・背中のこりや重だるさなど
頚肩腕症候群とは
頚肩腕症候群とは広い意味では、首・肩・腕・背中に痛みやしびれ、こりや重だるさなどが出ている状態であれば、それらのすべては頚肩腕症候群と呼ばれます。
狭い意味では変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)、頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア、胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)などの整形外科疾患などが分かり、それ以外の検査をしても明らかな原因が分からないものが頚肩腕症候群と呼ばれる感じです。
このような頚肩腕症候群は、基礎疾患などの明確な原因は分からないが、神経や血管への圧迫や筋肉への負荷などにより、首周辺・肩・腕・背中・手・手首などに痛みやこり、しびれが現れると考えられています。
頚肩腕痛をきたす疾患の分類としては
広義の頚肩腕症候群
(このケースで頚肩腕症候群と呼ばれるケースは少ないと思います)
Ⅰ:頚椎疾患
- 外傷(打撲、捻挫、骨折、脱臼、椎間板損傷、神経根損傷、脊髄損傷)
- 変形性頚椎症>>頚椎症ー首や肩、背中の痛みやしびれ、腕や手の痛みやしびれ
- 頚椎椎間板ヘルニア>>頚椎椎間板ヘルニアー首の痛み・手指のしびれ・頭痛・吐き気・めまい
- 脊柱靭帯骨化(後縦靭帯骨化、黄色靭帯骨化、黄色靭帯石灰化、前縦靭帯骨化、強直性脊椎炎)>>後縦靭帯骨化症(OPLL)ー手足のしびれや痛み・歩行障害・運動障害
- 炎症(結核性、化膿性骨髄炎、慢性関節リウマチ、軟部組織の炎症)>>リウマチ性脊椎炎―首の痛み・首を動かし辛い・後頭部の痛み
- 先天性疾患
- 頚椎や頚髄の腫瘍>>脊髄腫瘍
- 脊髄空洞症
- 脊髄血管障害
Ⅱ:頚椎周辺部疾患
- 胸郭出口症候群(頚肋症候群、斜角筋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群)>>胸郭出口症候群ー首や肩のだるさやこり感・腕や手のだるさやしびれ
- パンコースト腫瘍
Ⅲ:肩関節周辺疾患
- 肩関節疾患(肩関節周囲炎、関節症)>>変形性肩関節症―肩関節の痛みや腫れ・肩関節を動かせない
Ⅳ:肘・手関節周辺疾患
- 関節症
- 上腕骨内顆炎・上腕骨外顆炎>>テニス肘・上腕骨外側上顆炎ー肘の使い痛み>>内顆炎・ゴルフ肘・上腕骨内側上顆炎-肘の内側の痛み
Ⅴ:末梢神経・交感神経疾患
- 絞扼性神経障害>>腋窩神経麻痺-腕が上がらない・肩の外側の感覚が鈍い>>肩甲上神経麻痺-肩を動かしづらい・肩周囲に痛みを感じる・肩周りの筋肉が痩せてきた>>長胸神経麻痺-腕が上がらない・肩甲骨部の脱力感や鈍痛・肩甲骨が浮き上がる・翼状肩甲>>後骨間神経麻痺-手の指を伸ばせない>>前骨間神経麻痺-親指と人差し指、中指を曲げづらい>>後頭神経痛ー頭痛・後頭部の痛み
- バレー・リーウー症候群
- レイノー症候群
- 神経痛性筋委縮
Ⅵ:精神・心因性疾患
Ⅶ:その他
- 心疾患(狭心症、心筋梗塞)
- 代謝性・中毒性疾患
- ウイルス感染(風邪、流行性耳下腺炎)
- 運動ニューロン疾患
- 多発性硬化症
- 視力調整障害による肩こり
- 咬合不全
- 頭蓋内病変
- メニエール症候群
これらの疾患があれば首や肩や腕や背中に痛みやしびれ、こりや重だるさが出ることがあるのですが、疾患に対してはその病名がありますから、このケースで頚肩腕症候群とする場合は、その症状に対して病名を付けたことになると思います。
狭義の頚肩腕症候群
(一般的に頚肩腕症候群とされるケースの多くはこれらのケースだと思います)
Ⅰ:原因不明の頚肩腕痛(調べても原因が分からなかった。または詳しく調べていない痛みやしびれや、こりや重だるさ)
Ⅱ:筋・筋膜性疼痛(いわゆる肩こり)
頚肩腕症候群になると
首筋や肩、背中や腕にこりや痛み、しびれや重だるさを感じる、首が回らない、前腕のだるさや痛み、腕を一定以上あげると痛みを感じたりしびれたりする、手足の末梢神経障害(冷感やしびれなど)や筋力の低下など、首、肩、、背中、腕、に出るあらゆる症状。自律神経失調症症状(倦怠感や動悸など)、不眠・食欲低下なども含まれるケースもある。
頚肩腕症候群が疑われるときは
問診、触診、徒手検査法などで判断し、必要であればレントゲン検査・MRI検査などの画像診断も行いますが、頚肩腕症候群の診断に関しては診察したドクターの考え方によりかなりの幅があると思います。
頚肩腕症候群の治療
原因が見つかれば、原因となるものに対しての治療を行なっていきますが、原因が特定できなかった場合は、基本的には対症療法を行うことになります。
しかし、対症療法では根本から回復させることが出来ないために、先ずは原因を見つけその原因からの回復を目指す原因療法を行い、さらに対症療法にて感じている苦痛を取り除くことも行うのがベストだと思います。
対症療法と原因から回復させる治療との違いとしては、身体の歪みが問題であれば、身体の歪みが原因だと思われがちですが、本来は身体の歪みを戻す手技を加えることが対症療法となり、歪んだ原因を突き止めて、それがどこかの痛みや関節の不具合をかばっているのであれば、その部分を治すことが原因療法となると思います。
血行不良が原因であるとすれば、とりあえずマッサージを加えるのが対症療法となり、同じマッサージを加えるとしても、血行が悪くなる原因まで考え、血液がドロドロになる食事や運動不足による筋肉のポンプ作用の不足や身体の冷え、作業と身体の休め方などまでを考えアドバイスしながら行えば原因療法になると思います。
治療は生活の中での負担のかかる動作が減る様な工夫をしたり、硬くなってしまった筋肉をほぐして柔らかくしたり、適切な運動習慣を付けるなどをすることで治療と生活習慣の改善、運動習慣の改善などを総合的に行うことになります。
・一過性のものなら治療だけで回復
・仕事などが原因なら仕事に耐えうる体を目指して筋力を上げる。あるいは出来るケースは少ないが仕事量を減らす。
・身体の使い方、何が首に悪くて何がよ良いのかを出来るだけはっきりさせて実践するなど、治療、運動、生活改善を一人ひとりの生活環境や状況に合わせて総合的に行います。
頚肩腕症候群は、原因の分かるものから原因が特定できないものまで幅広く存在します。
頚肩腕症候群だと思われたら先ずは出来る限り原因を特定し、原因が特定できない場合には日常生活や仕事環境の中で出来るだけ原因となりうるものを排除していきます。
地道な作業になりますが、根本治療以外で回復する身体の問題の多くは、実は放っておいても自然回復するものです。
(例えば腰痛に多いのですが、どんなに激烈な腰痛であっても本当の理由でない部分を治しているような治療であれば、もし治療をしなくても自然に回復する腰痛であり、必要な事をしなければ治らない腰痛が本当に治療が必要な腰痛なのです)
何年経っても回復しない、悪化と回復を繰り返すような頚肩腕部の痛みやしびれ、だるさなどをお持ちの方には必ず原因となるものがあります。
ある程度解消すれば満足と感じる方はまだいいのかもしれませんが、次第に症状が強くなってきている方や、繰り返す間隔が狭くなってきている方は早急に回復させるべきかもしれません。
頚肩腕症候群はその辛さを理解し、自分のことの様に考え向き合ってくれる医師や治療家でなければ回復へと導くことは難しいと思います。
問診や整形理論による徒手検査法などを行い、原因となるものを見極め、その部分の回復と現在感じている辛さへのアプローチの両方を行い、その2つを同時進行することは回復理論上とても大切です。
首や肩、上肢のこり感、違和感、体調の異変など気になる不快感をお持ちの方は、よくみてくれて正しい、ある意味当たり前の回復方法を提示してくれる医療機関や治療院にぜひご相談ください。
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