腰痛の種類ー住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院

腰痛症・筋筋膜性腰痛・腰椎椎間板症・腰椎椎間板ヘルニア・変形性腰椎症・腰部脊柱管狭窄症・腰椎分離症・腰椎分離すべり症・腰椎変性すべり症・腰椎背筋群コンパートメント症候群・腰椎椎間関節症候群・腰椎後縦靭帯骨化症・脊椎損傷・二分脊椎・腰椎faild back syndrome・ 腰椎椎間関節嚢腫・腰の腫瘍性疾患・腰の炎症性、破壊性疾患・リウマチ性脊椎炎・脊柱変形・腰椎変性後湾症・腰椎変性側弯症・後側弯症・代謝性・内分泌性疾患・骨粗しょう症性椎体骨折・骨軟化症・職業性腰痛・心因性腰痛・脆弱性骨折(大腿部頚部骨折、椎体骨折、橈骨遠位端骨折)・変形性脊椎症

 

先ず自分の腰痛の種類を知ることはとても重要です。

腰痛にも様々なタイプがあり、なぜ痛んだのか、どのように痛んでいるのかを知ることは、どうすれば痛まないのか、どうすれば治るのかという回復させることにおいて必要不可欠だからです

腰痛の種類や状態を見極めるために特に重要なのは問診や触診、次に要であればエコーやレントゲン、MRIなどの画像診断を行い、正確な病名や状態を伝えてくれようとする医療機関や治療院を見つけることが腰痛解消のポイントになります。

画像診断よりも問診と触診が重要なのは問診と触診で腰痛の種類の多くは判断出ることと、先に画像で判断した場合はレントゲンなら骨以外の問題、エコーなら表面でない部分、MRIでも体の動きによる変化など見れない個所が存在するからです。

よって画像のみで判断をされた場合は、問診や触診を丁寧にして下さる医療機関での判断も仰いだ方がいいかもしれません。

当院では詳しくお話を伺い、徒手検査を行うことでなぜ痛んだのか、どのように痛んでいるのか、必要であればエコー観察も行って判断しています。そして必要であれば医療機関へ紹介をさせて頂きます。

 

腰痛症(ようつうしょう)

 

腰に痛みや違和感があるのにもかかわらず、レントゲンやMRI検査を行ってもこれといった異常が見当たらない腰痛を非特異的腰痛といい、一般的にはこのタイプの腰痛を腰痛症といいます。(調べても原因が分からなかった腰痛や詳しくは調べていないが腰の痛みを訴えている場合)

腰痛症は全腰痛の約70%を占め、20~55歳の働き盛りの方に多い腰痛です。

(腰痛症は原因が分からない場合の腰痛ですから、皆さんがよく感じたり人が痛がっているのを見かける腰痛の多くは原因が分からない腰痛ということになります)

また、腰痛症の中でも急激に発症した強い腰痛は〝ぎっくり腰〟と呼ばれます。

(ぎっくり腰も原因がはっきりしないままに突如強い腰痛を訴えられた場合に付けられることが多い名称です)

腰痛は痛めた個所や腰痛が発症する原因により治療内容を変える必要があります。

よって原因のはっきりしない腰痛症ですが、当院では先ずは出来る限り原因を見極めることから始めます。

過去から現在までの腰痛の出方、痛みの出る時間帯、職業、性別、スポーツ歴、痛みの出る方向、腱反射、徒手検査などを元に判断を行い、問題の特定を行います。

そのように問題点の特定を行う作業は〝レントゲンやMRIなどの画像には写らない、しかし痛みはある〟といった腰痛症に、画像には写っていない、しかしここの部分がこうなっていると考えられるというような目星をつけることになります。

治療は体を痛める原因をなくすことが第一目標です。

原因をなくすことが難しい場合は「原因が引き起こす症状を出来るだけ出ないようにすること」「感じないようにすること」「緩和すること」が第二の目標となります。

よってどのような体の問題も原因を見つけることが治療開始前の超重要事項となります。

原因が分かれば対処法や回復方法は分かりますが、原因が分からない場合は原因にアプローチできないので行き当たりばったりの当てずっぽう的な治療を行うことになりますから、当院では問題点の特定に力を注いでいます。

皆さんも治療を受けられる場合は、椎間板が痛んでいるのか椎間関節が痛んでいるのか、まだシビレはないが脊柱管が狭窄しているのか単なる疲労なのかなど、出来るだけ痛みの原因を特定して頂いてください。

それにより治療方法や生活改善方法は変わりますから、詳しく調べてはいない場合に「腰痛ですね」「レントゲンで骨は綺麗から」「年だからこんなもんですね」と言われたら詳しく調べてくださる所でみて頂くことも念頭に入れておいた方がいいかもしれません。

 

 筋筋膜性腰痛(きんきんまくせいようつう)

 

筋膜性腰痛は20~40歳の比較的若い方に多い、筋肉や筋膜、筋肉を貫通している神経に何らかの変化があって起きる腰痛。

痛みは腰の筋肉部分に感じ、腰の骨は前後屈などの運動をしても押しても痛みは出ませんが、急性期には坐骨神経痛のような放散痛が出ることもあります。

筋筋膜性腰痛は前かがみはし辛いが、ゆっくりと後ろに反る動きは制限されにくいことが特徴となります。

それは前かがみをすると問題のある筋肉が引っ張られて痛みが出るが、ゆっくりと後ろに反る動きは筋肉は縮むが引き延ばされないから痛みは出づらいからと思われます。(急激に反らした場合は筋肉を早く強く収縮する力により痛みが出る可能性が高くなると思われます)

当院での筋筋膜性腰痛治療は、急性期にはアイシングなどを用いて炎症を押さえたり固定や安静を図ったります。急性期に筋肉に強い刺激を加えるとかえって痛めることもありますから痛めた個所の痛み具合の見極めはやはり重要です。

慢性期になると手技や電気、温熱、鍼灸などにより患部を刺激し、活性化を図ることで筋筋膜性腰痛の早期回復を目指します。

 

腰椎椎間板症(ようついついかんばんしょう)

 

腰椎椎間板症は腰の骨と骨のつなぎとクッションの役割をしている椎間板が痛むことで引き起こす腰痛です。

 

腰椎椎間板症は

  1. 腰椎のクッションである椎間板の外郭である繊維輪が細かく損傷、腰椎後方の椎間関節の軟骨表面が痛む。

  1. 椎間板が薄くなり腰椎を支える靭帯が緩む。

  1. 椎間関節の軟骨も変性し関節を包む関節包が緩む。

  1. 不安定になりだした腰椎を安定させるために骨棘が出始める。

  1. 骨棘により腰椎は安定するが上下の腰椎が作っている隙間は狭くなる。

  1. 腰椎の後方の椎間関節が亜脱臼となり、関節包も線維化するが腰椎は安定する。

というような経過をたどります。

6の段階まで行くとある意味治そうとしている変化でもある骨棘形成や骨の変形、組織が変化する変性などにより腰椎が安定することもあります。

大雑把に言うと、大小様々な損傷により椎間板や椎間関節がだんだんと痛んでいき、関節の動きや支える力が低下し、それを補うために動かせる範囲は狭くなるが、骨のとげが出たり変形したりして腰の関節を何とか使えるようにしようとしている感じです。

それはある意味動かせない老化した関節になるということですが、腰椎の動きは少なくなるために痛みが出づらくなる確率も上がります。

しかし当院では痛みが出づらくなることはもちろん、出来るだけ早く痛みや関節を痛めてしまう根本原因を取り除き、関節の〝若さ〟を保つことも重要だと考えています。

それはいつまでも元気な足腰で、やりたいことが出来る日常生活を快適に送れる人生を目指していただきたいからです。

 

治療は椎間板と椎間関節にかかる負担を減らす必要があり、それに必要な治療や日常生活動作の改善を行います。

 

腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)

 

腰椎椎間板ヘルニアとは

 

腰椎椎間板ヘルニアだった場合、急性期にはじっとしていても腰が痛んだり、しびれなどの下肢症状が出たりします。

腰椎椎間板ヘルニアは、腰骨のクッションである腰椎椎間板の中心にある髄核という餅の様な弾力のある部分が、腰椎の後方や斜め後方へと飛び出すことでしびれや痛みなどの症状が出るのです。

 

椎間板ヘルニアの特徴

椎間板はレントゲンには写りません。よって腰痛や足のしびれがあり椎間板ヘルニアが疑われた場合はMRIを撮ることが多いです。

もし内科的な理由などによりMRIを撮った時に、腰痛やしびれなどの症状がないのにヘルニアがあると分かっても、症状が出ていなければ腰椎椎間板ヘルニアとして問題にはしません。

ヘルニアはないに越したことはありませんが、症状が無ければただ椎間板から髄核が飛び出しているだけということになります。

椎間板ヘルニアはMRIに写っていても、必ずそこが痛みやしびれの原因とは限らないのです。

 

ヘルニアは斜め後方に飛び出すと、脊髄から出た神経根を圧迫しすることがあり、それにより坐骨神経痛や大腿神経痛を引き起こすことが多いです。

坐骨神経が障害されると、仰向けで寝た状態からまっすぐに伸ばした足を上げていくと70度以上で下肢の痛みやしびれが増強するSLRテストが陽性となります。

大腿神経が障害されると、うつ伏せで膝を曲げていくことで太ももの前面に痛みやしびれが出るFNSテストが陽性となります。

腰椎椎間板ヘルニアになると腰の前屈が制限されることが多く、痛みのある側への側屈や伸展制限も起こりやすくなります。

また1~3%に膀胱直腸障害が発生することもありますから確認が必要です。

 

現在の症状と飛び出しているヘルニアが一致しないことがあります。

これは飛び出しているヘルニアは症状を出していないが、そのヘルニア以外の問題で症状が出ているケースです。

この場合、画像のみで判断してしまうと現在の症状とは関係のないヘルニアの治療を行うことになりますから、間違いを防ぐためには、必ず画像以外での徒手検査や問診や触診をしっかりとして頂く必要性があります。

例えばMRI画像で確認できるヘルニア部分と、腰椎の棘突起を押し込んだ時に感じた圧痛部分が一致するかの確認は簡単な徒手検査ですが、ヘルニアやヘルニア以外の腰椎の問題点を調べる手段としては有効だと思います。

 

椎間板ヘルニアの発生機序

 

椎間板というクッションには常に負担がかかっているので、大きな負担や繰り返される負担、経年劣化により椎間板の外殻である繊維輪や椎間板が上下の骨と接する部分にある軟骨終板には亀裂や断裂が生ます。

そうして椎間板に出来た弱い部分に大きな外力や、さらに日々の負担がかかることで中心にある髄核がその弱い部分を破って外に飛び出したり弱い部分ごと外に膨らんでしまうのがヘルニアです。

実は椎間板は30歳ごろより変性が始まります。30歳ごろ痛みやしびれなど全く感じない時でも肌や毛髪が輝きを失っていくように椎間板も歳をとっていきます。つまり劣化はしていくのです。

よって20歳ごろから肌や毛髪を大切に手入れするように、元気で生き生きとした椎間板でいられるよう大切にしていると40歳50歳と年齢を重ねた時に若い外見でいられるように椎間板も若くその性能を保っていられると当院では考えています。

ただしそれには正しいデータや考え方が必要不可欠です。たとえば喫煙者になるとニコチンによる連続的な血管収縮により血行が悪くなるなどの理由で椎間板変性が進むことや姿勢により変化する椎間板にかかる負荷など正しいデータに基づいて治療計画を立てていくことが大切です。

 

椎間板ヘルニアの治療

腰椎椎間板ヘルニアは急性期と慢性期に分け、対処を間違わなければ多くは回復へと向かいます。

当院の腰椎椎間板ヘルニアの治療は、腰椎にかかる負担を減らすための手技とそれを行うための治療姿勢を正しく行うことが重要だと考えます。間違った姿勢で治療を行うことで腰椎に負担をかけてしまうことを避けるためです。また急性のものと慢性のものも区別して治療の刺激を加減することも丁寧に行います。

 

変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)

 

一般的に20歳までは腰椎が変性することはありませんが、腰椎は他の部位よりも早い30歳を超えるころには椎間板の変性は始まります。

それ以降も年々変性は進み50歳までには97%の椎間板に変性が見られるようになります。

椎間板変性が進むと椎間板の水分が減ったりすることで椎間板は薄くなります。

椎間板が薄くなると腰椎後方の椎間関節の負荷も大きくなるので椎間関節が痛み骨に棘のような突起が出る骨棘をはじめ骨の変形が起こります。

この段階になると腰椎の変形性関節症変化と同時に椎間関節を包む袋である関節包や、腰を通る脊髄の後方、椎間関節の前方を支えるバンドである黄色靭帯の肥厚なども出ることになります。つまり椎間板が痛み減ると腰椎が全体的に変化変形していくのです。

また、椎間板の変性の途中で椎間板の内部が崩壊すると腰椎が不安定な状態となり、腰椎がズレてしまう腰椎すべり症などを引き起こしやすくなります。

しかし椎間板変性より先に椎間関節が痛むことはありませんから、やはり椎間板を長持ちさせることは重要であると言えるでしょう。

 

変形性腰椎症は腰椎が変形しているわけですから、痛みが取れる可能性が低いように感じられる方も多いと思います。

しかし変形=痛みではありません。

皆さんが腰痛を感じレントゲンを撮った時に骨に異常なしとなった方は多いと思います。しかし腰痛はある。

つまり腰の骨の異常=痛みではないのです。

腰椎の変形等があれば痛みやシビレが出やすいのは確かです。変形があるということは腰に負担をかけてきたことが多く、腰が痛んでいる状態ではありますから痛みが出ることは多いです。

しかし極端に腰の曲がった状態の方が激痛かと言えばそうであありません。

まっすぐでも曲がっていても腰椎が不安定だったり、現在進行形の痛みがある場合に痛みが出て、曲がっていても腰椎が安定して神経を刺激せず炎症も起こしにくい状態であれば痛みはでないのです。

ですから変形があろうとなかろうと痛みが取れることをあきらめる必要はありません。

一人一人の生活様式、運動、痛みを感じない方向や痛みが楽になる時などをよく分析し、治療と生活指導を組み立てます。

それにより慢性と思われている腰の痛みをなくしたり、どうすればなくすことが出来るかの道しるべを示すことが出来ると思います。

 

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

 

脊柱管狭窄症とは

間欠性の下肢機能障害

慢性の神経圧迫所見の存在

画像上の脊柱管狭窄所見

下肢への血流障害がないこと

と「Macnab’s Backache」では定義されています。

腰部脊柱管狭窄症になった方は、見た目では前屈位を取っていることが多く、腰を伸ばすと足のしびれや痛みが出ることが多くなります。

腰部で脊柱管狭窄が起こった場合、膝の腱を叩く膝蓋腱反射やアキレス腱を叩くアキレス腱反射などの下肢の腱反射は低下することが多いので、亢進する場合は頚椎や胸椎を疑う必要があります。

また、脊柱管狭窄症の約3%~4%には膀胱直腸障害が見られるために脊柱管狭窄症を疑う場合は便通や排尿の有無の確認が必要です。

腰部脊柱管狭窄症では、しばらく歩くと足の痛みやシビレ、重だるさなどが出現するために歩きづらくなり、休むとそれらの症状が無くなったり軽減したりして再び歩ける間欠性破行が出るのですが、同じような症状は下肢の血行障害でも出るために鑑別が必要です。

おおよその見分けは血行性は立ったまま休んでいても症状が軽減するのに対し、脊柱管狭窄による神経性は座って休んだり腰を曲げた状態で休まなければ回復しません。

また血行性の症状はこわばりや痙攣するような感じなのに対し、神経性は太ももや足先へ向かっての広がるような痛みやシビレなどが出る感じとなります。

脊柱管狭窄症は、保存療法を行ったが変化のなかった場合や極端に強い症状が続く場合、明らかな筋力低下や膀胱直腸障害のあるものは手術適応とその判断をしっかりと行う必要がありますが、それまでに正しく保存療法を行えば比較的良好な結果を得ることが出来ます。

腰部脊柱管狭窄症が疑われる方信頼できる医療機関でしっかりと、その状態やこれからの予測を立てて頂き、今現在は手術をする必要性がないと判断されたら諦めないで先ずは正しい保存療法より始めることをお勧めします。

 

腰椎分離症・腰椎分離すべり症(ようついぶんりしょう・ようついぶんりすべりしょう)

 

腰椎分離とは、腰椎の後方を構成する関節突起に異常をきたし、関節突起に骨性の連絡がなくなり、それにより症状を伴うものです。

さらにその部分の腰椎が前後にズレてしまうと腰椎分離すべり症と呼ばれるようになります。

腰椎分離症はスポーツマンの10~20%にみられ、さらに分離症の約10~20%がすべり症に移行するとも言われています。

腰椎分離症の主な症状は腰痛ですが、分離はあっても無症状のために気づかないままおられる方や、何らかの理由で腰部のレントゲンを撮った時に分離があることを知る方もたくさんおられます。

しかし、すべり症になると症状は出やすくなります。

 

分離症の治療は基本的には保存療法であり、手術となる方が稀です。

分離は早期に発見されると

当院では、腰椎部分の安定性や痛みの度合いなどをよく観察し、その状態に合わせた手技療法や必要であれば牽引療法も併用します。

そして痛みやしびれが軽減してくるころには運動療法も行い、腰部の安定感を引き出します。

 

腰椎変性すべり症(ようついへんせいすべりしょう)

 

腰椎変性すべり症は腰椎後方の関節部分である関節突起に分離はないのですが、経年劣化による腰椎の変性が進むことで腰椎が前後方向へとズレて症状を呈するものです。

変性すべり症は中年以上の女性の第4腰椎に発生しやすい疾患です。

変性すべり症の症状は多彩で、腰痛、下肢痛、しばらく歩くと休まないと歩きづらくなる間欠性跛行、大便や小便などの排出に異常をきたす膀胱直腸障害など脊柱管狭窄症と同じような症状が出ます。

腰椎変性すべり症も基本は手術をしませんが、保存療法で改善されない場合や膀胱直腸障害がでるもの、腰椎の不安定性が明らかに著しい場合は手術を行います。

当院では変性すべり症の場合、膀胱直腸障害がない場合は手技療法や電療、鍼灸治療などを行い、腰椎にかかる負担の方向性を変えることから始めます。

 

腰椎背筋群コンパートメント症候群

 

腰椎背筋群コンパーメント症候群とは、何らかの原因により腰背筋群の内圧が上昇することで筋肉の血流量が極度に減少した循環障害です。

コンパーメント症候群には急性と慢性があり、慢性は安静にしていると痛みがないのですが運動や歩行により痛みが出て、腰を反らすと痛みが軽減します。

発生頻度は少ないのですがコンパートメント症候群は手術になることも多い疾患です。よって背中の痛みを訴えられた場合はコンパートメント症候群や心疾患、頚椎の神経障害など様々な疾患との鑑別が必要になります。

よって日頃より運動と休息、腰の筋肉や関節などを痛めた場合のケアを適切に行うことでコンパートメント症候群の予防を行うことや、万が一のためにコンパートメント症候群の存在を知っておくことが大切だと思います。

 

腰椎椎間関節症候群(ようついついかんかんせつしょうこうぐん)

 

腰椎椎間関節症候群は感覚麻痺や運動麻痺がなく腰痛を訴えるもので、腰椎の椎間関節周囲にその原因がある疾患の総称です。

痛みの部位は腰と腰の下の方にあたる腰仙部で、左右のどちらかが優位に出やすく、腰から上半身を後ろにに反らすことがし辛くなる後屈制限や前後屈制限が見られます。

 

 腰椎後縦靭帯骨化症(ようついこうじゅうじんたいこっかしょう)

 

腰椎の前方部分である椎体の後方を支持する靭帯に骨化が起きる後縦靭帯骨化症(OPLL)は頚椎や胸椎の後縦靭帯骨化症に比べると稀な疾患です。

OPLLでは腰の痛みや下肢のシビレ感が出現します。

 

脊椎損傷(せきついそんしょう)

 

脊椎圧迫骨折や脱臼、回旋脱臼骨折、破裂骨折、剪断骨折などにより脊椎に屈曲、伸展、垂直圧縮、回旋、剪断の力が加わることで脊椎を損傷した状態。

治療は保存料法や手術療法を行い、脊柱を安定させ正常な機能を回復させることが目標となります。

 

二分脊椎(にぶんせきつい)

 

二分脊椎とは一般的には脊髄の神経管閉鎖障害による椎骨の奇形です。

二分脊椎には椎骨の異常があっても脊髄の異常のないものもあります。

 

腰椎手術後症候群

 

腰椎疾患に対して手術を行ったにもかかわらず、腰痛や下肢痛などの症状が残存すするか増悪したケース。

または、一度は楽になったが再び症状が出た状態のことを指します。

 

腰椎椎間関節嚢腫(ようついついかんかんせつのうしゅ)

 

腰痛、下肢痛、間欠性跛行などの馬尾症状を呈し、緩解と増悪を繰り返す場合が多い疾患です。

椎間板ヘルニアや黄色靭帯肥厚、黄色靭帯骨化症、脊髄腫瘍などとの鑑別が必要ですが、椎間関節嚢腫は保存療法でも回復する可能性が大いにあります。

しかし、いつまでも痛みに変化がないものや馬尾神経症状を伴う場合は手術となることがあります。

 

腰の炎症性、破壊性疾患

 

  • リウマチ性脊椎炎

特徴的な症状はないが腰背部痛は出やすいようです。

レントゲンやCT、MRIを参考にして鑑別を行う必要があります。

症状の強いものや急激に悪化を伴うもの以外、基本的に保存療法が第一選択となります。

その他の炎症性、破壊性疾患としては、破壊性脊椎関節症(透析性)、感染性脊椎炎、医原性の炎症性・破壊性疾患、血清反応陰性脊椎炎などがあります。

 

脊柱変形

 

  • 腰椎変性後湾症

人の腰椎は本来前方に反っています。ところが加齢により椎間板が薄くなり、腰椎の椎体が潰れ、腰椎を支える後方の支持組織が緩んでしまうと腰椎が後方凸となる後弯を呈します。

主な症状は疼痛で、脊椎カリエスや腫瘍などによる変形との鑑別が必要です。治療は保存療法が大半となります。

  • 腰椎変性側弯症・後側弯症

加齢による椎間板変性を基盤にした腰椎の変形。

 

代謝性・内分泌性疾患

 

  • 骨粗しょう症性椎体骨折

骨粗しょう症状態に小さな外力が加わって脊椎骨折を引き起こしたもので転倒はもちろん、躓いたり咳をすることでも発症します。

骨折部位に一致した叩打痛があり、腰の上方背中の下の方にあたる胸腰椎移行部に好発します。

骨粗しょう症の治療とともにギプスやコルセットなどを使用しながら治療を行いますが、ギプスやコルセットなしで様子を見る場合もあります。

通常1~2か月前後で回復が見られます。

当院では腰椎の安静に加えて、患部周囲の筋緊張を取り除いたり、ホットパックなどの温熱刺激を適度に加えることで痛みの緩和を行います。

  • 骨軟化症

正常な骨になるためには骨基質が石灰化しなければいけないのですが、軟骨石灰化障害が起きると石灰化が不十分な類骨の割合が増加します。これにより骨形成の異常が起きたものをくる病・骨軟化症といいます。

子供の骨端線が閉鎖するまでのものをくる病。それ以降のものが骨軟化症と呼び、骨折や骨折の治癒が障害されます。初期は無症状ですが、進行すると円背や脊椎の港湾や側彎、釣り鐘状胸郭となります。

 

その他の腰椎疾患

 

  • 職業性腰痛

作業などの労働に関連した職業性の危険因子により起こる腰痛のことを指します。

  • 心因性腰痛

労働による腰痛の原因としては、長時間の振動、頻回の屈曲、ねじり動作、重量物挙上の他に仕事に関する低い満足度、ストレス、過度の要求、同僚や上司との関係不良などの因子が関係していると言われます。

この中でも最近は心因性のものが含まれることが多いとされていますが、心因性とする場合は、本当に腰が痛んではいないのかしっかりと調べる必要性があると思います。

当院ではしっかりと患者様のお話を伺い必要な検査をして、痛めている箇所や痛む原因がないかを調べ、同時に心理的なものがないかも考えながら結果を出します。

そうすることで見逃しや決めつけをなくし、本当の原因部分の回復を一刻も早く出来るように、無駄な遠回りをしないように心掛けています。

 

高齢者の腰痛

 

  • 脆弱性骨折(大腿部頚部骨折、椎体骨折、橈骨遠位端骨折)

よくある脆弱性骨折としては、大腿部頚部骨折、椎体骨折、橈骨遠位端骨折などがあり、中でも大腿部頚部骨折は予後が悪いため、そのほとんどが手術を受けることになります。

椎体骨折は、骨粗しょう症による骨量の減少など骨の脆弱を基盤とする骨折の中で最も多く発症する骨折です。労作性背部痛と脊柱後弯変形が二大兆候です。ギプスや装具を持ちながら回復を目指しますが、圧潰や偽関節となり、麻痺や腰背部痛の頑固なものは手術適応となります。

橈骨遠位端骨折は、骨萎縮が進んだ高齢者が転倒時に手を着くことで容易に発症します。徒手整復にて骨折部位が良好で安定しているものはギプスなどによる固定を行いますが、徒手整復で安定性が保持できないものは手術適応となります。

 

変形性脊椎症

退行性変化により椎間板、椎体、椎間関節などの変性変化が生じて発症したものを指しますが明確な基準はありません。

変形性脊椎症には脊柱管狭窄症や変形による腰痛を呈するものも含まれます。

 

腰痛の治療と原因さがしは藤田鍼灸整骨院にぜひご相談ください!

 

大阪市住吉区長居西3-1-33

藤田鍼灸整骨院

06-6698-4568

 

参考文献

戸山芳昭他(2009)『最新整形外科学大系』中山書店.

 

 

 

アクセス

藤田鍼灸整骨院

〒558-0002 大阪市住吉区長居西3丁目1-33
【アクセス】御堂筋線 長居駅より約5分
                  JR阪和線 長居駅より徒歩5分(1.8km)

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