下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)-足の痛みやしびれ・長い距離を歩くと足が痛む

大阪市住吉区長居西 藤田鍼灸整骨院

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO):足が冷たい、歩くと足がしびれる、歩くと足が痛む、長時間歩けない、長い距離を歩けない、立ち止まって少し休むと楽になるなど

 

動脈と動脈硬化について

 

人の体には動脈と静脈があり、動脈は全身の臓器や組織へ血液を運ぶためのパイプラインです。

その動脈を通る血液が、酸素と栄養分を全身へと運んでくれることにより、人は生命活動を維持することが出来るのです。

通常、健康な動脈は柔軟でしなやかさがあり、送る血液量に対応しながら太さを変えて血液を運びます。

よって様々な要因により、動脈が硬くなったり中が詰まったりする動脈硬化になると、十分な血液や酸素、栄養を送ることが出来ません。すると様々な障害を引き起こすこととなります。

下肢閉塞性動脈硬化症とは、足の方に血液を送るための血管に動脈硬化が起こることで障害が出てきた状態となります。

 

下肢閉塞性動脈硬化症とは

 

下肢閉塞性動脈硬化症は、主に下肢の血管が柔らかさを失う動脈硬化が元となる疾患です。

動脈硬化により血管が狭くなったり(狭窄)詰まったり(閉塞)することにより、足を流れる血液の量が不足することで足に痛みやしびれが出るようになります。

下肢閉塞性動脈硬化症の原因となる硬化は大腿動脈のほか下行大動脈や腸骨動脈などにも起こり、それは血管の分岐部に特に多くなります。

下肢閉塞性動脈硬化症|動脈硬化となる血管|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

下肢閉塞性動脈硬化症|動脈硬化となる血管

下肢閉塞性動脈硬化症|動脈硬化となる血管|大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院

下肢閉塞性動脈硬化症|動脈硬化となる血管

 

下肢閉塞性動脈硬化症は動脈硬化が原因となりますので、糖尿病・脂質異常症・高血圧症・喫煙・高尿酸血症・慢性腎臓病・肥満等の生活習慣病があるとより悪化しやすくなります。

また、下肢閉塞性動脈硬化症は、50歳以上の男性に発症しやすいといわれています。

そして、動脈硬化による症状が下肢に出るということは全身の血管にも動脈硬化は出ているはずですから、狭心症や心筋梗塞・脳梗塞など、他の血管疾患に対しての注意も必要です。

 

下肢閉塞性動脈硬化症の分類

 

下肢閉塞性動脈硬化症は、現われる症状の程度により大きく4つに分類されます。(Fontain分類)

 

  • 1度:冷感・しびれ感

 

足が冷たい、しびれる、指が青白い

 

  • 2度:間欠性跛行

 

一定距離を歩くとふくらはぎが痛くなり、立ち止まって休むと症状が改善し、再び歩行することができる。

歩ける距離が短いほど重症になります。

 

  • 3度:安静時疼痛

 

安静にしていても足が痛み、夜も眠れない。

刺すような痛みが続くこともあります。

 

  • 4度:潰瘍・壊死

小さな傷が治りにくくなり、潰瘍が出来たり、黒く壊死したりします。

 

下肢閉塞性動脈硬化症を疑うときは

 

医療機関にて血液検査や首や下肢のエコー検査、トレッドミル歩行検査、血圧脈波検査、胸部レントゲンや12誘導心電図などを行います。

画像診断としては3D-CTアンギオや血管造影検査、心臓カテーテル検査、心電図同期冠動脈CTなどを行います。

また、しばらく歩くと足が痛くて歩けなくなる間欠性跛行が腰部脊柱管狭窄症によるものか、下肢閉塞性動脈硬化症によるものかの判断も整形外科的な検査にて判定します。

理学検査としては腹部大動脈、左右総大腿動脈、膝下膝窩動脈、足背および後脛骨動脈を左右比較します。この時に足背動脈、後脛骨動脈のどちらか一方でも正常に触知出来れば下肢の虚血は発生してないとされています。

 

以下の表は最新整形外科学大系に記載された血管性と神経性の間欠性跛行の判断基準となります。

血管性(ASO,TAO) 神経性(腰部が原因)
原因 動脈閉塞 馬尾型、神経根型

馬尾型、神経根型

(腰部で神経が障害される)

部位 骨盤・大腿型閉塞

一側性または左右差

腓腹部以外に

大腿、殿部、足底(TAO)

ほとんどL4-L5

両側性、一側性

主症状 歩行時疼痛 両下肢しびれ、歩行時疼痛、脱力感、坐骨神経痛症状、腰痛
発現時期 虚血重症度に依存

ABIと相関する

安静時にもしびれ

歩き始めから100m以内

随伴症状 冷感 尿失禁、残尿感
手術時期 日常生活の困難

ABI<0.5

安静時しびれの出現

 

下肢閉塞性動脈硬化症の治療

 

医療機関の治療では一般薬物療法、運動療法、血管内治療(カテーテル治療)、外科的療法(バイパス手術)などが、重症度により選択されます。

しばらく歩くと足が辛くなる間欠性跛行のある方で1度や2度の段階の場合は、投薬などと同時に運動療法が行われます。

運動療法は下肢の痛みやしびれの状態を見極めながら、無理のない距離を歩くことで血流の改善を図ります。

そうして血流が改善されれば歩く距離は少しずつ伸びていきます。

 

当院では

 

下肢閉塞性動脈硬化症や腰部脊柱管狭窄症が疑われる場合、医療機関への受診は必須です。

早急に手術が必要であるのかどうかの判断は必ずして頂く必要性があります。

しかし、手術が必要でない場合や、もう少し手術をしないで様子を見ていきたいという段階の方は、投薬以外で何かできることがないかと考える方も多いと思います。

下肢閉塞性動脈硬化症は動脈硬化により下肢への血行が悪くなった状態です。

腰部脊柱管狭窄症の多くは長年腰に負担をかけてきた結果起こるものです。

体の回復方法は体を悪くする原因を取り除く、または減らすことが第一です。

体を良くするものを取り入れることはその次に行うことです。

悪くするものを放置したまま良くすることを取り入れた場合、良化が悪化を上回ることはありません。

もし患者さま自身が悪くした根本の原因を知らないまま、あるいはその原因を無くすことが出来ていなければ、やれることはまだまだあると思います。

ただし、その原因を知ることと原因をなくす方法は根拠のある正しいものでなければいけません。

 

足の痛みやしびれでお悩みの方、回復するためには何をすればよいのか迷っておられる方は当院にご相談ください。

 

大阪市住吉区長居西3-1-33

藤田鍼灸整骨院

06-6698-4568

 

参考文献

 

中村 正人(2010)『閉塞性動脈硬化症の病態』心臓 42 巻 3号,285-288

 

笹嶋 唯博(2007)『閉塞性動脈硬化症』最新整形外科学大系.中山書店

アクセス

藤田鍼灸整骨院

〒558-0002 大阪市住吉区長居西3丁目1-33
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