ペルテス病―子供の股関節の痛み・子供が足を引きずる

ペルテス病:子供の股関節の痛み、子供が足を引きずって歩く、股関節の動きの制限など

 

ペルテス病とは

 

股関節の大腿骨頭(太ももの骨の頭の部分)への血行が、何らかの原因で通いにくくなることで、骨の頭がつぶれ変形してしまう病気です。

 

 

ペルテス病の特徴

 

ペルテス病は4~8歳の時期に多く、男児の方が女児よりも5倍ほど高い確率で発症します。

一般的に日本では保存療法で回復を図ることが多く、年齢が低いほど早くきれいに治りますが、小学校高学年になると治るまでに時間がかかり、変形も生じやすくなります。また、大人の場合は骨壊死を起こすと、回復し辛いために手術になることも多くなります。

 

発症時の症状としては

 

多くは股関節の軽い痛み(太ももや膝が痛い場合もあります)と、歩き方の異常、股関節の動きの制限(あぐらがかきにくい、股関節の動きに左右差がある)などが生じます。

 

ペルテス病の病態の段階は以下の4つに分けられます。

1.初期(滑膜炎期)

レントゲン像では異常がほとんどなく、単純性股関節炎との鑑別にMRIが必要なこともあります。

2.硬化期(壊死期)

壊死により骨端が軽度扁平(つぶれた状態)化するため、骨の中にある骨梁という組織の密度が高くなり、レントゲン線の透過性が低くなって骨端部の骨が白く硬化したように見えます。

3.分節期(修復期)

壊死した部分の骨と、生き残った部分の骨の間に毛細血管が進入して境界が明瞭になり、骨頭の扁平化が修復しはじめます。

4.再生期(遺存期)

新しい骨が作られて、徐々に円形または楕円形の形になっていきます。

 

ペルテス病は単純性股関節炎と違い、適切な処置を受けなければ、股関節の軟骨に変形が生じて変形性股関節症となる可能性があるため、早期に治療を始める必要性があります。

発見が遅れると、大腿骨頭の壊死(変形)が進んでしまいます。

 

よって早期に発見し、少しでも大腿骨頭の変形を防止し、将来的に変形性股関節症に移行することを予防しなくてはなりません。

 

お子様が股関節の痛みを訴えられた場合は、正確な判断が必要となりますので、子供の疾患に詳しい専門家へのご相談をおすすめします。

 

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