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パンナー病(上腕骨小頭骨端症)-小児期の肘の痛み、子供の肘の痛み、肘が動かしにくい、野球や体操、ハンドボールなど肘をよく使うスポーツでの痛みなど
パンナー病(上腕骨小頭骨端症)とは
肘関節を構成する上腕骨の遠位部には上腕骨小頭と呼ばれる部位があるのですが、小児期のはじめの上腕骨小頭は成長軟骨で出来ており、そこで骨は成長をしています。
そして成長をするにつれ成長軟骨に骨端核と呼ばれる骨が出来てきて、それは次第に大きくなり骨幹部の骨と完全に癒合することで完全な大人の骨となります。
パンナー病は、成長軟骨の中心部にある骨端核が損傷されることによって生じる疾患であり、骨の成長過程にある小児期(特に5~10才前後)の男児の利き腕にみられることが多い疾患です。
パンナー病の原因としては
成長途中である小児の上腕骨小頭部分では、骨端核へ栄養を供給している血管の分布が乏しく、後方からくる血管により主な栄養供給がされている状態です。
パンナー病は、その血管に何らかの障害が発生し血液供給の低下により成長が阻害され、上腕骨小頭に障害が発生することで起こる疾患だと言われています。
血行障害の原因としては不明な部分も多く、繰り返される微小外力などによる循環障害などの様々な説があります。
野球や体操、ハンドボールなど、肘を頻繁に使うスポーツが発症や悪化のリスクが高いと考えられています。
パンナー病になると
肘関節の痛みや動かしにくいなどの症状が出ます。
痛みは動かすことにより強くなり、安静にしていると痛みが軽減することが多いです。
また、肘関節周囲の腫れがみられることもあります。
パンナー病が疑われる場合は
年齢的なものや、肘関節への負荷のかけ方などの確認と、肘関節の状態をレントゲンやMRIによる画像検査により判断していきます。
パンナー病を回復させるには
基本的には痛みの原因となる動きやスポーツを控え、安静にすることにより回復を図ります。
損傷を受けた上腕骨小頭が回復するには1~3年ほどかかると言われていますが、後遺症を残すことなく治癒することが多いです。
また、子供の肘の痛みにはパンナー病のほかにも上腕骨小頭離断性骨軟骨炎という疾患もあるのですが、両疾患では発症年齢が違うことや病態が全く違うため、疾患を理解していれば判断することは可能です。
panner病と上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の鑑別
Pannner病 | 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎 | |
年齢 | 10歳以下 | 10~15歳 |
罹患側 | 利き腕 | 利き腕 |
症状 | 伸展制限 屈曲制限 | 主に伸展制限 |
レントゲンの所見 | 上腕骨小頭全体の変形
軟骨下透亮像 濃淡があり不規則に見える |
小頭の関節面の変形
関節遊離体 |
MRI所見 | 骨髄浮腫像
脂肪変性 無腐性壊死 |
小頭のcyst様変形
軟骨下の破壊 |
下記文献より引用・改変
お子さんが肘の痛みや動かしにくさを訴えられたときは、ぜひ一度当院へご相談ください。
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藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
樋口 史典・吉矢 晋一・高木 洋平・藤岡 宏幸・戸際 正喜『Panner病の治療経験』日本肘関節学会雑誌(2018)No25,P52~P54