大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院>>http://shinkyuuseikotsu.com
膝蓋骨不安定症:膝の違和感や不安感、屈伸すると膝が痛いなど
膝蓋骨とは
膝蓋骨は、膝関節の前面にある「膝のお皿」といわれる人体で最も大きい種子骨のことです。
膝蓋骨の役割は膝関節を保護したり、大腿骨膝蓋滑車溝を上下しながら大腿四頭筋が膝関節を伸ばす時の支点となったりすることで膝の屈伸運動を安定させます。
膝蓋骨不安定症とは
膝蓋骨不安定症は、若い女性に多いといわれ、主に膝蓋骨が外側に外れそうになるような不安定感を感じる疾患です。
膝蓋骨不安定症の原因としては
膝蓋骨不安定症の原因になるものとしては、X脚や反張膝などの関節の異常、膝蓋骨と脛骨をつないでいる膝蓋腱が走る方向の異常、内側広筋と外側広筋(太ももの筋肉)のバランスの違い、膝蓋骨周囲の靭帯や関節包の緩みや膝蓋骨や大腿骨の形成異常など様々です。
また、先天的に全身の関節弛緩があると発症しやすい傾向があるとも言われています。
こういった様々な要因により、大腿骨下部前面のくぼみ(大腿骨膝蓋滑車溝)に噛み合うようになっているはずの膝蓋骨が、正常な位置より外側にずれ不安感が出てくるようになるわけです。
膝蓋骨不安定症発症の要因 | |
軟部組織 | 内側膝蓋大腿靭帯の断裂・弛緩
外側支帯の拘縮・過緊張 全身の関節弛緩 |
骨形態 | 外販膝
膝蓋骨高位 大腿骨滑車部の形態異常 膝蓋骨の形態異常 大腿骨の内捻 脛骨の外捻 |
その他 | ジャンプの着地などのKnee-in動作
内側広筋の不均衡 外傷 |
膝蓋骨脱臼の分類 | |
外傷性
外傷で生じた初回脱臼 |
通常、下腿が外反強制されると生じる |
反復性
不定期に生じる脱臼 |
通常は整復位にあるが、下腿が外旋外反強制されると脱臼する |
習慣性
一定の肢位で生じる脱臼 |
伸展位では整復されているが、屈曲していくと脱臼する |
恒久性
常に生じている脱臼 |
常時、膝の全可動域で膝蓋骨が脱臼している |
日本医事新報社 医事新報No.4948より抜粋
膝蓋骨不安定症が疑われるときは
膝蓋骨不安定症が疑われるときは、徒手検査法として脱臼不安感テスト(アプリヘンションテスト)を行なったり、レントゲンやCT、MRIで膝蓋骨と大腿骨の形態や適合性を確認したりして評価していきます。
※脱臼不安感テスト(アプリヘンションテスト)
仰向けの状態で膝を伸ばし膝蓋骨を外側に押し出すことで、膝蓋骨の脱臼感や不安感が出ると陽性となる
膝蓋骨不安定症を回復させるには
膝蓋骨不安定症の治療としては、基本は保存療法を行い回復させていきます。
大腿四頭筋の筋緊張が強いときはストレッチを行い筋肉の緊張を緩和します。
また、筋力訓練にて内側広筋を鍛え、膝蓋骨の外側への偏移を防いだり、パッド付きの専用のサポーターを装着して不安定感を和らげたりしていきます。
膝蓋骨不安定症は保存療法にて回復していくことがほとんどですが、改善がみられない重症例などでは手術療法が選択されることもあります。
また、放置しておくと膝蓋骨の脱臼に至ってしまうこともあり、膝蓋骨と大腿骨の軟骨が痛み変形性関節に進行してしまうこともあるので、なるべく早く治療にあたることが重要です。
膝に違和感や不安感がある、膝の曲げ伸ばしで痛いなど気になる症状がある方は、ぜひ当院へご相談ください。
大阪市住吉区長居4-5-18
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
安在 絵美ほか『靴型足底圧計測システムによる変形性膝関節症リスククリーニング』立石科学技術振興財団助成研究成果集,第25号