滑膜骨軟骨腫症は、良性結節性増殖からなる病変で、関節の滑膜の細胞が、軟骨を生成する細胞に変化する病気です。
関節滑膜より多数の軟骨病巣を生じ、変化した細胞は軟骨の塊を生成することがあり、それが関節の周りの隙間に脱落して遊離体になります。
その1つ1つは米粒よりも小さいことがあり、腫脹や痛みの原因になります。
滑膜軟骨腫症の特徴は
20~40歳代の男性に好発し、膝関節に最も多く、次いで肘関節で、この2関節で全体の約70%を占めています。
他に、肩関節、股関節、手関節、足関節にもみられることがあります。
滑膜軟骨腫症の症状は
痛み、腫れ、関節の可動域制限
まれに関節近傍に無痛性の痛みのない腫瘤として確認することが出来ます。
画像では
結節が石灰化していたり骨化していることもある
病理学的分類では、下記の3つに分類されます。
- 第Ⅰ期:関節内遊離体がみられない骨膜内病変期
- 第Ⅱ期:骨膜内病変と関節遊離体が存在する移行期
- 第Ⅲ期:関節遊離体のみみられる時期
治療に関しては、保存療法は無効で、下記のように分類ごとに選択されるのが良いとされています。
- 第Ⅰ期:骨膜切除
- 第Ⅱ期:骨膜切除と関節遊離体摘出
- 第Ⅲ期:関節遊離体摘出
滑膜骨軟骨腫症の予後は一般的に良好とされていますが、まれにがんになることもあり、再発がみられることもあるため、長期の経過観察が必要となります。
大阪市住吉区長居4-5-18
藤田鍼灸整骨院
06-6698-4568
参考文献
平井 奉博・井手 淳二・前田 智・水田 博志・竹屋 元裕(2006)『肩関節に生じた滑膜骨軟骨腫症』整形外科と災害外科,55巻4号,436-439
菅野 晴夫・安倍 吉則・高橋 新・渡辺 茂・斉藤 毅・佐々木 大蔵(2003)『股関節に発生した滑膜性骨軟骨腫症の1例』仙台市立病院医誌,23,63-67