大阪市住吉区長居藤田鍼灸整骨院
梨状筋症候群:坐骨神経痛、お尻や太もも、すね、ふくらはぎ、足にかけての痛みやしびれ、下肢の冷感や灼熱感、下肢の締めつけ感など
梨状筋とは
梨状筋とはお尻の深いところにある筋肉で、仙骨の裏側から大腿骨の上部外側にある大転子という個所の上に付いています。
梨状筋は仙骨方向へと収縮することで、膝を外側に向けるように股関節を外へ捻る動き(外旋)を行う働きを持っています。
梨状筋症候群とは
脊髄から続く馬尾神経から枝分かれして作られる坐骨神経が、仙骨の裏側を通過し、仙骨の外側へと出た部分に位置する梨状筋で圧迫を受けることで発生する疾患のことです。
圧迫を受ける原因としては
・坐骨神経の形状が障害の原因となっている場合。
(坐骨神経は通常、骨盤の中から臀部に出るときに梨状筋の下を通りますが、中には坐骨神経の一部が梨状筋の間を貫いていたり、上と下を挟んで通っていたりする人もいます。このような場合は、筋の緊張によって神経がより圧迫されやすくなります)
・仙腸関節や梨状筋周囲に通常の組織以外のものが発生しそれが坐骨神経を圧迫する場合。
・椎間関節に何らかの侵害刺激が加わった時に、神経を刺激し外旋筋群に反射性の攣縮を誘発して坐骨神経を圧迫する場合。
・ランニングなどの繰り返される梨状筋への負担や打撲などによる直接的な負担。
・骨折や手術などにより負担を受ける場合。
などがあると言われています。
梨状筋症候群になると
坐骨神経痛が出ます。
お尻の痛みや太ももの後ろ、ふくらはぎ、すね、足部への痛みが特徴的な症状で、長く座っていると痛みが増し、歩くと楽になることもあります。
また、しゃがんだ時や足全体を内側にひねる動作(内旋)など、お尻に負担がかかる状況で症状が増悪することもあります。
坐骨神経痛についてはこちら>>坐骨神経痛―おしりや太もも、ふくらはぎ、足趾の痛みやしびれ
梨状筋症候群を疑うときは
まずは問診にて、痛みやしびれがどの範囲に出るのか、どのような動作に伴い症状が増悪する傾向にあるのかなどの確認を行います。
徒手検査法としては、股関節を他動的に内旋させるテスト(Freiberg徴候)、座位で股関節を抵抗下に外転させるPace徴候、患肢を上にした側臥位で下肢を外転するBeatty徴候などを行います。
また、坐骨神経痛を起こす疾患としては、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などもあるため、レントゲン写真やCT検査、MRI検査といった画像検査で鑑別診断を行います。
梨状筋症候群を回復させるには
症状を引き起こす動作制限し梨状筋への負担を軽減していきます。
ストレッチや手技を加えて、梨状筋の硬さ(筋緊張)をとることも有効です。
また、安静時には足全体を外側に捻った形(外旋)にしておくと梨状筋が緩むので楽になりやすいです。
梨状筋症候群自体は稀な疾患ではありますが、坐骨神経痛を起こしている場合は、頭に置きながら判断していくことが必要になってきます。
どの疾患にしても正しく判断することが回復させるための条件になってきます。
坐骨神経痛にお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
大阪市住吉区長居4ー5ー18
藤田鍼灸整骨院
06ー6698ー4568
参考文献
川谷 義行・松田 芳郎・中山 温広・木原 洋介・沖 貞明・柴田 大法:梨状筋症候群の診断と病因-骨盤出口症候群の呼称の提唱-,西日本脊椎研究会誌Vol.24,No.2,255-261,1998.
清水 雅子・佐藤 八江・中本 あい・吉川 範子・大平 直子・立川 茂樹:神経学的評価と神経ブロックの効果から梨状筋症候群と臨床診断し手術で確定診断を得た右臀部痛の 1 例,日本ペインクリニック学会誌 Vol.23,No.1, 45-48,2016