先天性大胸筋欠損症

先天性大胸筋欠損症とは、生まれつき大胸筋が欠損しているために胸の部分が薄く、胸の形に左右差がある比較的稀な先天性障害です。

 

先天性大胸筋欠損症は

  • 乳頭・乳輪・乳房の低形成、欠損
  • 肋骨・肋軟骨の低形成
  • 小胸筋や広背筋の低形成
  • 脊柱の側弯
  • 重複腎
  • 内反尖足
  • 尿道下裂なども伴うことがあります。

 

さらに手や腕の形成異常や短合指症を合併するものは Poland症候群といいます。

 

先天性大胸筋欠損症の概要としては、以下の通りです。

  1. 性別は男性に多い
  2. 左右差は認められず、両側性のものは極めて稀である。
  3. 欠損部分は大胸筋単独が多いが、33.3%に小胸筋欠損を伴う。このほか、前鋸筋、僧帽筋、広背筋あるいは腹筋の欠如がみられることもある。
  4. 大胸筋の欠損部分については、鎖骨部、胸肋部および腹部の3部位いずれかの部分欠損例が多い。胸筋欠損による肩関節などの機能障害を認めることは少なく、疼痛などを訴えるものは極めて稀である。
  5. 肩関節にはほとんど機能障害のないことが多く、日常生活に支障をきたすことがないため治療の対象となることは少ない。

 

しかし、近年形成手術の発達に伴い乳房の高度の低形成を伴っている女性患者においては、人工物挿入(シリコンバッグプロテーゼ)による乳房再建などが考慮されるようになった。

手術については、形成外科手技の発展により、大胸筋や乳房の非対称などはかなり満足のいく結果が出ているようです。

また手の形成不全(発育不良)については、出来るだけ見かけが良く、使いやすい手にするよう治療されて、ある程度満足のいく結果が出るといわれているようです。

 

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